わたしの意見 ― 水野 創

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復興への道筋(8)――計画停電の原則不実施決定と今後の課題 その2

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」4月12日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 前回に続き、「計画停電の原則不実施」の決定後の課題について考えてみたい。

(政府に求められること)

 政府は先週末(8日)、夏場の電力対策として、大口需要家にピーク比25%の節電を求めること等を骨子とする方針を決定するとともに、4月末までに具体的な内容をまとめると発表した。
 今回の発表を見ると、全体として需要家の自主的な取り組みを尊重し、柔軟な運用を志向しており、妥当な方向にあるが、さらに以下の点が意識されるべきであろう。

(1) 電力需要は、天候、経済状況を受けて大きく変動する。節約目標についても、需要の動向にあわせ、柔軟かつ公平な対応が可能となる制度とすること。
(2) 需要家側の節電努力を支援するものであること。
前回指摘したとおり、企業の工場立地の見直し等により、地域ひいてはわが国の産業構造が変化する可能性があるが、そうした動きを阻害するものでないこと。また、逆に特定の地域の産業構造の変化を促す場合には、その政策目的を明確に示すこと。エコポイントや各種省エネ支援策等を継続・強化すること。
(3) 供給面について、この夏場に、現在稼働中の原子力発電所が安心して使い続けられることを電力会社と共に検証し、その結果を公表すること。

(電力会社に求められること)

 これまでの計画停電の運用が、透明性を欠き、需要家間の公平性を損ねていた点を謙虚に反省し、今後の運用に当たり以下の点を改善すべきである。

(1) 電力需要・供給の状況・見通しについてより丁寧な情報開示を行うこと。
(2) 各需要家の節電の基礎となる前年の実績について事前に連絡を行うこと。
(3) 万一の計画停電実施に備え、事前に、国民の理解を得られる、透明かつ公平な制度の再設計を行い公表すること。

 大きな余震が続き、原発事故の収束も見通せない状況で、被災され、あるいは現在も被災されている皆様に改めてお見舞い申し上げます。復興に向け、力をあわせ取り組んでいきましょう。

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 4月1日から本日まで、復興に向け千葉県が直面している諸課題について、会員の皆様のご参考にしていただければと、ビジネスレターを毎営業日配信させていただきました。
 この間のご愛読、お寄せいただいたご意見に感謝しています。 

 本日で、急いでお伝えしたい項目が終了しますので、以後、ビジネスレターの配信は従来の形に戻し、「復興への道筋」シリーズは、情勢の変化を注視しつつ、話題の一項目としてお届けしたいと思います。

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