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わたしの意見 ― 水野 創

前年比回復でも安心できない首都圏空港〜低下している首都圏空港のシェア〜 

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」4月13日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 成田空港の国際線旅客数前年比は1月▲0%、2月+1%と2月に前年水準を回復した(成田国際空港株式会社)。

 もっとも内容を見ると以下の通り安心できるものではない。(比率は全て前年比)
(1)1,2月合計で日本人、外国人別に見ると日本人+8%、外国人▲12%と日本人が前年を上回っているのに対し、外国人は引き続き前年を下回っている。成田、羽田空港合計の首都圏空港としてみても(1月の出入国管理統計。2月は未公表)で、日本人は前年比+2%、外国人は▲7%と外国人は前年水準を回復していない。
(2)1月の総数を全国と比べてみると、全国では+1%なのに対し首都圏空港は▲1%であり、シェアも57%台まで低下している。
(3)全国の外国人の1月は▲4%と首都圏空港の▲7%を上回っている。中部、関西は前年を上回り、福岡も首都圏より回復している。外国人が日本全体を旅行の対象からはずしていた昨年9月頃の段階から、日本の中でも旅行先を選別する段階に移ってきているようだ。
(4)首都圏空港は、日本人についても、全国の伸びを下回る伸びにとどまっている。福岡は成田だけでなく、羽田の伸びを上回っている。





 1月は旧正月で、従来のビジネス客に加え中国などからの観光客が増加したほか、円高により日本人旅行客も増加したが、首都圏空港は(1)余震、放射能に対する懸念や(2)チャーター便を含む首都圏以外からの路線の充実により、こうした増加を十分には取り込めなかったことになる。
 こうした傾向は、復興が進むとともに、今後ますます強まる可能性が強い。首都圏空港としては、地震対策、除染作業により安心・安全を確保するとともに、正確な情報発信により風評被害を防ぐこと、より魅力ある路線・サービスを提供することが急がれる。

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