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わたしの意見 ― 水野 創

デフレが継続する中期経済予測―デフレ脱却には突破口が必要―

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」12月13日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日本経済研究センターの新しい中期経済予測が発表された(12月6日)。今回から予測対象期間が2025年度まで5年間延長されている。



 主な指標は表に示したが、今回追加された21年度から25年度を含め+1%に満たない実質成長率(年度平均、以下同じ)と消費者物価、0%近傍の名目成長率と一人当たり雇用者報酬、じりじり進む長期金利上昇と円高等、デフレ脱却を展望できない数字が並んでいる。

 また、この期間中に「政府債務が膨らみ続けると(国債の)国内消化にも限界が訪れ」、「海外投資家が政府債務の規模に応じた高い財政リスクプレミアムを要求すれば、金利が急騰し、日本が財政危機に陥る危険性がある」とも指摘している。
 そして、こうした認識に対し、@製造業の海外シフトを食い止めるための環境整備、A医療・介護分野での生産性向上、B女性・高齢者の労働参加促進、C歳出入両面での更なる見直しと改革を等、成長戦略と財政再建の双方の政策提言を行っている。

 このようにデフレ脱却が出来ないまま財政危機を避けるための増税が続く予測では閉塞感は強まるばかりだが、これを打ち破り、国民と企業の前向きの気持ち・取り組みを引き出すことができるのは、予測が織り込んでいない、すなわち、これまでの延長線上にはない大きな変化だと思う。

 これまでのいろいろな産業革命のように、起業家精神を発揮して日本発の「新産業革命」がある日勃発すると信じたい。iPS細胞の本格的な実用化や高齢化対応の医療・介護分野での新商品・サービス、画期的な省エネ技術、世界からお客様が競って来日する新しいイベントや施設等、それが何か想像することは出来ないが、候補は多い。
 2013年がそうした歴史的な節目の年となるよう願っている。


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