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わたしの意見 ― 水野 創

勢いに乗れない成田空港―訪日中国人だけでなく出国日本人も厳しい―

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2月14日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日本政府観光局による2012年の訪日外客推計値は836万人、前年比+34.6%増、2010年比▲2.8%減で、年別では2010年に次ぐ第2位の水準まで回復した。また出国日本人数推計値は1,849万人で同+8.8%増、+11.1%増と過去最高となった(これまでの最高は2000年の1,781万人。1月25日発表)。



 もっとも月別に見ると、夏場までは順調に増加したが、9月以降は中国、韓国との関係緊張の影響により訪日中国人客、出国日本人が減少し回復に水を差された。このうち訪日外人は、中国人の減少を他国でカバーして前年比2桁の伸びを続けているのに対し、実数が多く影響の大きい日本人は10月以降マイナスとなり、その結果、総数でも10月はマイナス、11月はわずかなプラスにとどまっている(表1は、空港の国際線利用客との関係が分かりやすい、出入国管理統計の出入国合計を利用している。観光局の推計では12月以降も同様の傾向が続いている模様である)。



 こうした情勢を映じ、成田空港は主力の国際線が9月以降伸び悩んでおり、年間発着枠が拡大し、国内線がLCCの本格参入で大きく伸びている勢いを、全体のシェア上昇に結び付けられないでいる。

 今後、為替の円高修正の影響や特定の国・地域との緊張、テロ等による需要の振れが予想されるのはもとより、LCCやクルージング船就航等空路だけでなく海路も含む厳しい競争が続く。成田空港がこうした競争に打ち勝ち、お客様、航空会社から選ばれる空港となるよう、そして首都圏、千葉が旅行の目的地として選ばれる魅力ある地域となるよう、関係者と危機感を共有し一丸となって取り組んでいかなくてはならないと思っている。

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