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わたしの意見 ― 水野 創

内閣府「中長期の経済財政に関する試算」から見るアベノミクスの成果

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」7月31日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 内閣府は7月25日の経済財政諮問会議に標記試算を提出した。これまで同様、「経済再生ケース(実質2%、名目3%成長)」と「参考ケース(同1%、2%)」の2ケースについて内閣府のもつ計量モデルを基礎に2023年度まで試算している。


 アベノミクス2年目に入っての試算公表となるが、試算結果を政権交代前の12年8月の「経済財政の中長期試算」の「成長戦略シナリオ」、「慎重シナリオ」(今回試算の2ケースに相当)と比較すると、この間の成果が確認できる。

 


 まず現状の2014年度(今回試算では2ケースとも同じ結果)について2年前との変化を確認すると、「量的・質的金融緩和」により、長期金利は大幅に前回試算(2.3%、1.9%)を下回っている。実質GDP成長率、消費者物価は慎重シナリオ、成長戦略シナリオの中間にあるが、前者は成長シナリオに、後者は慎重シナリオにそれぞれ近く強弱に差がある。この間、公債等の残高は前回試算とほとんど変わらない。


 試算の最終年度である2023年度はどうだろう。シナリオの前提となる成長率、物価は前回試算と差はないが、中長期の大きな課題である国債等残高が前回試算を約30〜50兆円下回っており、長期金利も前回試算を0.3〜0.4%下回っているなど一定の変化が見て取れる。


 ただし、計量モデルで試算すると、現在0.5%まで低下した長期金利がどこかの時点で3〜5%に向け上昇に転じる。政策が市場の信頼を獲得し、転換時のリスクを極小にするよう期待したい。


 2020年東京オリンピックをはさむ長期戦が続く。


 

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