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わたしの意見 ― 水野 創

日銀の金融緩和強化はマインド下支えにぎりぎりのタイミング

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」11月6日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 日銀が「量的・質的金融緩和」の拡大を決定した(10月31日)。今回の決定は「デフレマインドの転換が遅延するリスクの顕現化を未然に防ぐため」と説明されているが、10月下旬の状況をみるとまさにギリギリのタイミングでの決定といえる。

 すなわち、10月下旬、企業が上期好決算の発表を続けていたのに対し、東大日次物価指数は8月下旬に続く、4月以降2度目の強い下方圧力に直面していた(図表1)。同指数はスーパーのPOSデータを活用した速報性の極めて高い指標で、天候不順の8月に飲料などで下落幅を拡大した後、9月以降は持ち直していたが、10月下旬に入り再び下落幅が拡大していた。2度の週末台風襲来、14年産米の豊作、消費者の価格に敏感な購買態度の強まりなど、一時的、基調的な複数の要因が考えられる。

 11月に入り下落幅は再び縮小しているが、前年比がプラスに転じた春先に見られた「この機会に値上げが受け入れられるか試してみよう」といった積極的な値付けから、「売り上げ確保のための定番商品の値下げ合戦」に逆戻りし始めているようにみえる。

 今回の政策決定による為替円安、株高により(図表2)、今後、アベノミクス1年目の好循環が再起動されることが期待されるが、足元の、こうした浮足立った動きに歯止めがかかる効果により注目したい。

 こうしたマインド下支え効果を考えれば、今後検討される予定の政府の経済対策も早期の決定が求められる。消費税再引き上げの是非だけを論じている場合ではない。






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