わたしの意見 ― 水野 創

わたしの意見 ― 水野 創

強弱両面を持つ7〜9月GDP一次速報

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」11月20日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 7〜9月実質GDP 1次速報は事前の予想に反し2期連続のマイナスだった(17日)。

 所得の伸びが物価上昇に追いつかず天候の影響を受けた家計部門の回復が鈍かっただけでなく、業績好調のはずの企業部門が在庫投資のほか設備投資もマイナスだった。景気回復への期待が裏切られた印象が強い。

 「季節調整済み前期比」で見た評価は上記の通りだが、もう一つの指標「原系列前年比」を見ると、個人消費、住宅投資は前年を下回っているが、設備投資は4期連続でプラスとなっている。さらに、物価の変動も反映した名目GDPの原系列前年比では、個人消費もほぼ前年並み、国内需要から今回かく乱要因となった在庫変動の動きを除いてみるとプラスを維持している。単純化すると「名目では前年並み、実質ベースでは消費税引き上げ分だけ目減りしている」という姿だ。



 輸出や雇用者報酬はどちらの指標で見ても増加しており、海外経済や企業業績の改善が続けば、先行きも期待できる。

 1次速報は基礎となる統計が出そろう前の推計値なので、とりあえず、12月8日公表予定の2次速報に注目したい。

 現時点で家計部門が弱いこと、また回復への期待が揺らいでいることは事実である。しっかりした経済対策で、現在半ばの10〜12月から来年に期待をつなげて欲しい。

 なお、技術的な話だが、季節調整済み系列は原系列に比べ振れが大きいことがある点も留意しておく必要がある。例えば、昨年10〜12月の実質GDP前期比は当初の+0.3%から下方修正が続き、今回は▲0.4%になっている(原系列前年比は+2.7%→+2.5%)。



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