わたしの意見 ― 水野 創

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悪くない短観9月調査―勝負は次回

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2015年10月2日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 日銀短観の9月調査結果が発表された(1日)。

 冴えない経済指標が続くなか企業マインドや15年度設備投資計画にどのような変化が見られるか、回復が大企業から中小企業に波及し回復力の差が縮小しているのかなどが注目点だった。結果は悪くない。

  これまで景気回復を引っ張ってきた大企業製造業の業況判断が加工業種中心に3期振りに悪化したが、素材業種は改善に、中小企業製造業は横ばいに転じており製造業全体としては改善している(変化幅%ポイント。6月調査−1⇒9月調査+1)。非製造業も規模別の差が拡大しているが全体としては横ばいだ(同+1⇒0)。

 

 また、15年度の事業計画は全体として上方修正されている。大企業の設備投資計画は高い伸びを維持、中小企業製造業は最終的に前年度比プラスとなった14年度並の足取り、中小企業非製造業はマイナスとなった14年度を上回る歩みとなっている。

    

 
 
  税込み物価上昇は所得上昇の範囲内に収まっているため、今後、消費関連業種の回復加速も期待される。ただ、資産効果の剥落や経済実勢を上回るマインドの後退により、事業計画が下方修正されるリスクもある。政策判断に当たっては以下の点を含め情勢を見極める必要があると思う。

@今回調査の回答期間は8月26日から9月30日。早めに回答した企業は9月末近くの中国経済減速や大荒れの市況の影響を十分織り込んでいないと思われる。

A事業計画の想定為替レートは117円まで円安が進み今後大きな円安メリットは期待しにくくなっている。

B短観の事業計画は物価上昇分も含んでいる(生産や実質成長率より高めの結果)。また海外からの収益なども含め総合的な判断になる。

  マインド先行の悪化を防げるか、次回12月調査に結果が出る。


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