わたしの意見 ― 水野 創

わたしの意見 ― 水野 創

やはり弱かった消費:7〜9月期GDP2次速報 それより驚いた2016年度の改定
 

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2017年12月13日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 2017年7〜9月期GDP2次速報が発表された(8日)。設備投資を主因に上方修正されているが(表1。実質・季節調整済み前期比では+0.3%→+0.6%)、消費性向はリーマンショック時を下回る水準まで一段と下方修正されており(表2)、家計部門の慎重さが際立っている。




 7〜9月期の改定内容は予想の範囲内だと思うが、驚いたのは同時に改定された2016年度の姿である。

 2016年度は米国の金利引き上げに端を発した市場の大混乱とそれに伴う日銀のマイナス金利の導入と見直し、先進国のポピュリズムや新興国の地政学リスクなどによる海外経済の不透明感から日本経済は厳しい環境にあり、これまでの統計では、「トランプ大統領選出後の為替円安、株高に救われて何とか2015年度並みの成長(実質・前年度比+1.3%)を維持した」と表現していた。

 これに対し、改定後の2016年度は、上記環境の下、「家計部門の消費、企業部門の設備投資がいずれも伸びを低め、成長率は2015年度に消費税率引き上げ後のマイナス成長(2014年に同▲0.3%)から脱した後、幾分伸びを低めた」と表現することになる。おそらく、今回改定された表現の方が、昨年度の雰囲気をよく伝えていると思う。

 過去の統計から見る歴史的表現かも知れないが、多くの統計を加工、推計して作成するGDP統計の特徴を再認識させる改定となった。

 現状評価のほか、政策目的にも使用される統計であるが、他の指標やヒアリング調査と合わせて総合的にみる必要があると自戒した。

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