わたしの意見 ― 水野 創

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年初来の市場変動の影響は?日銀展望レポートの2018年成長率見通しは1.6%

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年5月2日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 年初来、大荒れだった内外の市場もここに来て落ち着きを取り戻しつつある。乱高下の後たどり着いたのは、外国為替市場では円安方向への回帰、株式市場では年末に近い水準だ。

 この間、市場変動の景気への影響は比較的少なかった。百貨店の高額品の売り上げなどに変化がないほか、企業の景況感も市況変動に敏感な鉄鋼業などを除き引き続き改善傾向にあり、2018年度設備投資計画も、個人消費関連の中小企業・非製造業を除き強めになっている。

 環境変化に対応しベア実施を賞与の業績反映に切り替えた経営者も多いが、いずれにしても家計の所得改善が企業の値上げ受け入れ余地を高めれば、企業・個人間の好循環を支援する。

 こうした中、先週末発表された日銀の最新の展望レポートでの2018年度の成長率見通しは前回の1.4%から若干上方修正され1.6%になっている。

 1.6%は2017年度の1.8%や2018年度政府経済見通しの1.8%を下回るが、市場の変調以降慎重化しているエコノミストの経済見通し(ESPフォーキャスト調査1.3%程度)はやや上回っている。

 1.8%まで上方修正できなかったのが、今回の市場変動の経済成長への影響ということなのだろう。毎月発表されるエコノミストの見通しが、今後再び上方修正されていくのではないだろうか。

 1月下旬以降、講演の都度市場の影響をどう表現するか考えてきたが、ここまで来て「一安心」という気持ちになった。

 内外政治情勢で引き続き市場は大きく振れる可能性があるが、経済は着実に回復を続けるよう願いたい。





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