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わたしの意見 ― 水野 創

業種別・規模別それぞれに背景;6月調査日銀短観のバラツキ

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2019年7月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 6月調査の日銀短観が公表された(1日)。米中覇権争いや米国金融政策変更(円高要因)のマインド、事業計画の影響を注目していたが、今回は業種別・規模別の差が目立った。


 マインドを現状判断、事業計画を売上高経常利益率・設備投資計画で見てみよう。


 @大企業・製造業の2019年度売上高経常利益率は前回調査比大きく下方修正されている。特に上期の修正が大きい。現状判断の低下の大きさと符合する。ただし、利益率の水準はまだ高く、設備投資は崩れていない。


 A大企業・非製造業の経常利益率は小幅ながら上方修正され、現状判断も改善した。ただし先行きについては10連休の反動、消費税率引き上げなどがあってか慎重で、設備投資の伸びもやや低下している。


 B中小企業・製造業は経常利益率の下方修正幅が大企業比小さい割りに業況判断DIの悪化が大きく、マインド先行の悪化に見える。設備投資は2018年度の高めの着地の後であることを考慮すれば悪くない。


 C中小企業・非製造業は先行きのマインド低下が大企業・非製造業と似ている。ただし設備投資は2017,18年度と2年連続して前年を下回った後の前年並み水準で、個人消費関連の回復の遅れの影響が続きそうだ。


 今後も政治ショー等により振り回される上、米中覇権争いの長期化、それに伴う金融緩和強化、さらに人生100年時代の将来不安など国内要因が重なるとマインドの悪化が実体の悪化につながるリスクがある。


 設備投資意欲が落ちていない今のうちに、環境の悪化を乗り切るイノベーションの推進を期待したい。

 

 

 


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