機関誌
マネジメントスクエア

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2011年 1月号 リード

ちば ビッグプロジェクト

房総アワビ産業史
太平洋の荒波がはぐくんだ「貝の王者」

「磯のアワビの片思い」ということばがある。一見、二枚貝の片面に見えるアワビだが、実は巻貝の一種で、殻は表側に1枚しかない。これが「片思い」のシンボルのようにみなされ、万葉の時代から、せつない恋の表現にしばしば使われてきた。自然を友としてきた古代人のまなざしが懐かしさを誘う。では、産業としてのアワビ漁業は、どのように生まれ、変遷してきたのだろう。日本の代表的なアワビ産出地である房総のアワビ漁業史をたどってみよう。

インタビュー

これからの千葉県経済と経営者に求められるもの
水野 創[株式会社ちばぎん総合研究所取締役社長]

世界経済は2010年の夏場以降減速傾向にあり、日本経済も円高、株安など、不安定材料が目立った。こうした中で、千葉県経済にとって昨年は、成田空港の発着枠増大、成田スカイアクセスの開通による都心と成田空港のアクセス時間の短縮、大型アウトレットの開発計画の発表など、今後の大きな可能性が見えた年でもあった。新年にあたり、企業経営者はどのような考え方に立ち、どのような行動をとればいいのか。さらにこれからの経営者に求められるものとは何か。昨年6月末に当社社長に就任した水野社長に聞いた。

企業最前線

鮮魚の卸売りから回転ずし店、さらに地域の野菜を生かす
イタリアンレストランをスタート
ヤマトグループ

鮮度の良さやすしネタの豊富さで、顧客から圧倒的な支持を受け急成長を遂げたヤマトグループ。国内でいち早く、回転ずし店に生けすを導入するなど、顧客のニーズを先取りしたさまざまな試みを行っている。一昨年からは地域の農家と連携し、観光農園やイタリアンレストランの新規事業をスタート、地産地消の推進も視野に入れた新たな展開にチャレンジしている。

創業社長のことば――わたしのリーダー論

「任せる経営」で、やる気を引き出す
丹 道夫[ダイタングループ代表]

関東エリアの1都3県において、立ち食いそば店「名代富士そば」を83店展開するダイタングループ。丹道夫社長は八百屋のでっち奉公、ガソリン配達など、さまざまな職を転々として苦労する中で独自のリーダー観を確立した。分社化による権限委譲と成果型賃金システムを導入し、競争が激化する外食市場の荒波を乗り切ろうとしている。

会社を強くする! 実践経営塾

「空きスペース」に商機を見つける

「事業の集中と選択」やIT化などに伴って、遊休空間を抱える企業が増えている。地域でも、商店街の空き店舗など未利用施設が目立つ。今や“空きスペース”の有効活用は、企業や社会にとって大きな課題だ。そんな中、“空きスペース”を使って新事業を立ち上げるケースも見られるようになってきた。今回は、遊休空間を新たな利益の源泉に変えようとする2社の取り組みをレポートする。