機関誌
マネジメントスクエア

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2013年 1月号 リード

インタビュー

着実に進む復興の一方、足踏みが続くデフレ脱却
今こそ、経営者は経営理念を見直し、事業の原点に立ち返ろう
水野 創[株式会社ちばぎん総合研究所取締役社長]

2011年3月11日に起こった東日本大大震災、原発事故からの復興が着実に進む中、県内では圏央道や成田空港をはじめ多くのプロジェクトが進行し、その期待も大きい。一方、減速した中国経済への懸念、円高傾向の継続、総選挙による施策実施の遅れ、見直しなど、14年4月の消費税増税を控え、デフレ脱却は足踏み状態が避けられそうにない。新年にあたり、こうした状況下での経営者のあり方を考える。

千葉県の水・陸・空路 発展ものがたり

香取の海
経済、文化を育んだ国境の広大な内海

かつて、下総国と常陸(ひたち)国の間には広大な内海が広がっていた。その名は一般的に「香取(かとり)の海」と呼ばれている。この内海は、人々の行く手を阻む難所ではなく、地域の発展や物流に大きく貢献する恵みの海であり、和歌などの文学、宗教といった文化を育む揺りかごだった。この「香取の海」とはどのようなものだったかを見ていこう。

企業最前線

顧客の声に寄り添い満足度を追求。客室稼働率90%超を維持する
株式会社紀伊乃国屋

一般的な民宿業をコンセプトから大胆に変更、地元の新鮮な魚介料理と顧客の声を丹念に吸い上げたきめ細かなサービスで、超人気旅館へと変貌(へんぼう)させたのが(株)紀伊乃国屋。近くに観光名所がないにもかかわらず、客室稼働率は90%を超え、リピーターが全体の45%を占める。つねに顧客満足度向上にチャレンジし、新施設の立ち上げも予定している。

顧客に「選ばれる」タクシー会社。ユニークな新サービスも次々と誕生
有限会社武藤自動車

業績低迷に苦しむタクシー業界の中で、固定客をガッチリとつかみ、無線での配車依頼による売り上げによって、安定した経営を続けているのが市川市の有限会社武藤自動車だ。新しいサービスも次々と手がけ、好評を博している。同社はなぜ「選ばれる」タクシー会社になれたのだろうか。

創業社長のことば――わたしのリーダー論

失敗の中で学んだ、ブレないことの重要性
生田目康道[株式会社JPR代表取締役社長]

ペットはもはや欠くことのできない人生のパートナー。そう考える人たちにとって必要な社会インフラが動物病院であろう。獣医師の資格を持ちながら会社の経営に専念する生田目康道社長は、地域で顧客に一番に選ばれる動物病院を展開してきた。しかし、2つの目の動物病院の開業の際には経営者としての経験不足から、資金繰り難に苦しんだ経験があったという。

会社を強くする! 実践経営塾

中小企業でもできる「子育て支援」

子育て期間中の従業員に対して、短時間勤務制度を設けることなどを会社に義務付ける「改正育児・介護休業法」が施行されたのは2010年6月のこと。昨年7月からは、それまで猶予されていた従業員100人以下の中小企業にもこの法律が適用されることになった。この不況下、「とてもそんな余裕はない。現実には無理」と考える経営者も多いかもしれない。しかし、やり方次第では、会社の成長につながる大きなチャンスにもなる。子育て支援制度で、強い会社となった2つの事例を紹介する。

チャレンジャー

哲学を学びながら極めたロジカルなフェンシング
三宅 諒[フェンシング選手、ロンドンオリンピック銀メダリスト]

  • チャンバラごっこが好きだった少年時代。父親と二人三脚で自分の「型」を模索(もさく)していった。
  • 哲学を勉強して身に付けたロジカルな競技スタイル。チームきっての戦略家を目指す。
  • 長年のライバルを本気で意識した瞬間、五輪への道が開けた。4年後に向けてもう走り出している。