機関誌
マネジメントスクエア

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2014年 6月号 リード

ちば産業発達史

果実栽培
長い歴史と伝統の中で、生産者の工夫と努力が結実

全国屈指の農業県である千葉には、本誌1月号で取り上げた「近郊野菜」のみならず、さまざまな特色を持つ農産物がある。例えば果実(果実的野菜を含む)では、産出額全国1位を誇る「日本ナシ」をはじめ、全国2位の「ビワ」や「スイカ」、5位の「メロン」、9位の「イチゴ」などが有名だ〔産出額順位は2012(平成24)年〕。今回は果実栽培に着目し、全国トップ10の先の5品目について、その栽培がどのように発展してきたのかを概観してみたい。

企業最前線

店舗ごとに物語性を持つ独自の食文化を創造
株式会社うかい

高尾山(東京都)のふもとで創業し、移築した合掌(がっしょう)づくりの古民家と旬(しゅん)の食材を生かした独創的な料理で集客。さらに街の風景や状況を考慮したうえで、店舗それぞれに物語性を持たせた出店で事業を拡大し、美術館運営などの文化事業にも取り組む。創業から着実な発展を遂げて50年、次代に向けて商圏拡大など、新たな成長戦略を打ち出している。

メンテナンス負担を大幅に軽減した半永久寿命の浄水フィルターを開発
株式会社モノベエンジニアリング

永年培った精密機械の加工技術を生かし、化学や食品工場、介護施設などの汚濁水をろ過するバネ式フィルターを開発したのがモノベエンジニアリング。フィルター交換が不要で、半永久的に使える画期的なろ過システムだ。さらに産官学の共同研究により難点だった大型ばね式フィルターの製造技術を確立したことによりコスト高を克服し、従来品の2~3割まで製作コストを削減した。環境保全に大きく貢献する新技術で、今年から販売を本格化する予定だ。

創業社長のことば――わたしのリーダー論

“業界の常識”と闘いながら徹底した「お客様主義」
宇都宮恒久[中央タクシー株式会社代表取締役会長]

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催の決め手となったといわれる「おもてなし」。そのおもてなしを実践して、予約客が全体の9割を占めているのが、長野市内を中心に営業している中央タクシーだ。しかし、乗務員の姿勢を変えるのは並大抵のことではなかった。創業者である宇都宮恒久会長は、ドアの開閉1つにしても1万回は同じことを言ってきかせたのだという。

会社を強くする! 実践経営塾

独立支援で、やる気を引き出す

優秀な人材は社内に抱え込んでおきたいというのが、経営者として当然の気持ちかもしれない。だが、あえて独立させるという選択肢もある。環境の変化は本人が成長するきっかけとなり、独立後も良好な関係を続けて共生していくことも可能だ。会社にとっても、停滞した組織の活性化につなげることができるし、「独立開業」の道が見えれば社員のモチベーションも高まる。実際に独立開業を支援している事例を、製造業とサービス業から1社ずつ紹介する。

チャレンジャー

管楽器や弦楽器が奏でる音にさらに「色」をプラスするのが打楽器の魅力
野本洋介[打楽器奏者、作曲家]

  • 打楽器に目覚めたのは、自宅のお風呂場(ふろば)でした。叩(たた)いて音を出すことにのめり込んだ青春時代。
  • 皆で音を出して1つの曲を演奏する。その魅力に惹(ひ)かれて、音楽家を目指しました。
  • 個性を出しながらも周りと協調していく。オーケストラの打楽器奏者は天職だと思っています。