機関誌
マネジメントスクエア

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2018年 9月号 リード

まちづくり発達史

大型再開発で変貌しつつあるビジネス・交通の一大拠点
港区芝地区浜松町

都内屈指のビジネス集積地・港区芝エリア。浜松町駅にはJR山手線・京浜東北線や地下鉄都営大江戸線、東京モノレールが通り、高速道路とバスターミナル、さらには竹芝ふ頭を擁する、国内外へ繋がる陸・海・空路の重要な交通結節点である。その浜松町駅周辺では、世界貿易センタービルの建て替えをはじめ、大手デベロッパーが大規模な再開発に乗り出しており、今後10年間で大きく変貌を遂げようとしている。今年6月、千葉銀行と武蔵野銀行は「千葉・武蔵野アライアンス」に基づく提携施策として当地区に法人営業拠点を開設した。さらなる発展が見込まれる芝地区を、浜松町駅周辺を中心に、その歩みと将来の展望を探ってみたい。

Watching 浜松町駅周辺

企業最前線

「チーバくん」をはじめ全国のご当地キャラクターグッズで事業拡大
株式会社イシワタ

1929年の創業以来、貝細工の製作を手がけてきた(株)イシワタは、時代とともに移り変わる土産物のニーズに対応し、2000年代から全国の水族館、動物園などで販売するオリジナルグッズの製造に着手。08(平成20)年、「チーバくん」グッズのオフィシャルサプライヤーに認定されたことをきっかけに、県内外のご当地キャラクターのグッズを手掛けるようになった。人気商品の開発を通じて地域活性化に貢献している。

コンクリート住宅のパイオニア。新たな空調システムで拡販目指す
レスコハウス株式会社

木造住宅が主流だったなか、戦後一貫してコンクリート住宅の製造・販売を続ける。その耐震性は阪神・淡路大震災、熊本地震など巨大地震の揺れで倒壊ゼロの実績で証明された。2016(平成28)年、戸建て住宅で急成長するヒノキヤグループの傘下に入り、新たな空調システムで拡販を目指す。

会社を強くする! 実践経営塾

産業観光でファンを作る

国が観光を新たな産業資源として重視し、以前は工場見学と呼ばれていた活動が「産業観光」として注目されている。企業や製品のファン層拡大、売上アップ、従業員のモラル向上などの効果が期待できる。だが、一方ではアテンドに人手がかかるなど、中小企業にはハードルが高い面があることも否めない。そこを乗り越え、人気施設を運営することに成功している二つのメーカーを紹介する。
・株式会社能作
・有限会社春華堂

2020カウントダウン

ホストタウン招致やスポーツツーリズムを支援
千葉県スポーツコンシェルジュ

千葉県は県内自治体の東京オリ・パラのホストタウン招致や国際競技大会の開催、スポーツツーリズムを支援するために「スポーツコンシェルジュ事業」を実施している。公益財団法人ちば国際コンベンションビューローが事業を受託、2015年6月にスタートして今年で4年目に入り、現在3人の専任担当者が活動している。当初から「コンシェルジュ」としてホストタウンや国際大会の招致に携わってきた大久保利宏マネージャーに、招致活動の内容やオリ・パラに向けた課題などを伺った。

オリンピック・パラリンピックに世界最高品質の卓球台を提供
株式会社三英

流山市に本社がある(株)三英は、国内シェア75%を誇る卓球台のメーカーだ。オリンピック・パラリンピックの2016年リオデジャネイロ大会で公式サプライヤーとなったのに続き、2020年東京大会でもその卓球台が競技に使われる。採用が決まった経緯や東京大会への期待を三浦慎社長に語ってもらった。

創業社長のことば

持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする
及川智正[株式会社農業総合研究所 代表取締役社長]

「苦労は多いのに報われることは少ない仕事」──。そんな日本の農業を取り巻く現状を変えたいとの思いから、(株)農業総合研究所を起業したのが及川智正社長だ。全国に7500人いる生産者と1200店ものスーパーをつなぐ「農家の直売所」は、まさに及川社長の叡智の結晶といえるだろう。

チャレンジャー

“コクのある梨”を作り続けて「船橋のなし」を広めたい
豊田大輔[2017年度「千葉なし味自慢コンテスト」農林水産大臣賞受賞者]

  • “梨職人”の父と祖父が楽しそうに働いていたので、幼いころから販売や収穫を手伝うのが楽しかった。
  • 栽培法を巡って父と意見がぶつかることも。それでも必ずトライさせてくれるのがうれしい。
  • 親子2代での農林水産大臣賞受賞に、長年のお客さんが泣いて喜んでくれた。