わたしの意見-
水野 創
高齢化社会の実像~千葉県の30年後人口の推計~
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」11月15日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]
11月13日に「千葉県の将来人口の動向と変化を踏まえた今後の対応策」が千葉銀行から公表された。内容は30年後の人口予測(推計1~3)とそれを踏まえた提言である。14日の千葉日報は1面トップで「県人口90万人減」、「震災克服次第で微増も」と報じている。今回の予測では、このほか「60万人減」のケースを示しており、今後実際にどのケースを歩むのかは我々の取り組み如何となる。
ところで、今回の予測を県内地域別に見ると、上記いずれの推計でも30%以上人口の減少する地域、高齢化率が大きく上昇する地域があり、香取、夷隅、安房の3地域はその双方に該当している。これら地域では、今後30年間65歳以上の高齢者の人数はほとんど変化せず、64歳以下の人数だけが減少していく姿が予測され、最も高齢化が進む夷隅では、高齢者の人数が過半を占めるに至る。
一方、3つのケースで最も人口が増加する葛南を見ると、高齢者の構成比こそ相対的には低いが、高齢者の人口は飛躍的に増加する。千葉県は人口10万人当たりの医師・看護師数が全国でも下位に属しており、こうした地域の医師不足がいっそう深刻な事態になる覚悟が必要だ。
我々はこうした状況をしっかり認識した上で、今からその対策を立てていかなくてはならない。
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