わたしの意見-
水野 創

年度末近く、地域の回復力には引き続き差

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」3月19日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 

 2014年度もあと2週間で終わる。

 市況は円安、株高基調。米国金融政策変更を控え振れは大きいが雰囲気は良い(表1)。円安で好業績の大企業は昨日(18日)の一斉回答日に高いベアを打ち出している。資産価格は株だけでなく大都市圏の土地にも動きが感じられる(18日。公示地価)。

 2015年度のデフレ脱却に向けた高めの成長実現に向け、こうした動きが大企業から中小企業に、東京圏から地方に、企業部門から家計部門にどこまで波及しているだろう。

 中小企業の景況感を商工会議所の2月調査でみると、2014年中は悪化を続けたが、年末には漸く底を打っている(表2)。日銀短観の大企業が夏場には横ばいに転じたのに比べ半年遅れている印象だ。

 また、景況感の水準にも差が大きい。地域別に比較してみても、関東、千葉に比べ、北海道、九州の水準の低さ、回復の遅れが目立つ。

 昨日発表された公示地価でも、上昇は3大都市圏を中心とした一部に限られている。

 2015年度の実質GDPなどマクロ指標は、消費税引き上げの影響一巡、原油価格低下効果もあって明確な回復を示すはずだ。しかし、こうしたスタートラインの差の克服は容易ではないだろう。元気な経営者の創意工夫と地方創生にかける地域一体となった取り組みが求められるところである。

 首都圏の一角を占める我々は、首都圏内の厳しい競争の中にある(表3)。潜在力を顕現させる努力が欠かせない。

 

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