わたしの意見-
水野 創

2020オリパラまで1年?厳しい関連業界

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年7月27日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 昨日までの4連休中の7月24日、新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、世界は、梅雨明け前で蒸し暑い、東京2020オリンピック開会式を迎えていたはずだ。

 実際には大会は1年延期され、17日にオリンピックの競技会場と競技日程が発表されただけだ。そして、来年、発表通り大会が実施されたとしても、大会関係者の参加者削減、大会関連イベントの再検討などのコスト削減とコロナ対策の両面からの簡素化が行われる。

 簡素化の検討は年内とされ、具体的内容が明らかになるのはこれからだが、競技会場を持つ千葉県にとって延期・簡素化の経済への影響は極めて大きい。

 これまでの期待の大きさをホテル旅館業界の例で見てみよう。

 県内のホテル・旅館客室供給数はホテルの増加・旅館の減少から2015年度まではほぼ横ばい状態だったが、2016年度からは明確に増加に転じている(図表1)。2015年度から2018年度までの増加率は全国を大きく上回り、東京と同水準である(図表2)。

 2020オリパラ東京招致決定、内外旅行客の増加、成田空港の機能強化、圏央道県内全通等による需要増加を見込んでの積極的な投資の結果だろう。

 現状の厳しさは関連する他の業界でも同様だと思う。現在新規感染者数は2度目の山に向かっており極めて心配な状況だが、都道府県別、県内自治体別で見ると、地域間の差はなお大きい。

 この4連休の結果も楽しみだが、当面は、地域の状況を見ながら、オール千葉で県内旅行を楽しみ、客室稼働率の上昇や県内産品の売り上げの増加にも結び付くことを期待したい。

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