わたしの意見-
水野 創

2025年国勢調査:千葉県の人口は増加?減少?

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年7月20日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 6月1日現在の千葉県人口は629万人だ。

 2015年の国勢調査を基にした、私共の2020年10月の3つの推計値(上位、中位、下位)の中位推計を既に上回り、上位推計に迫っている(図表1)。この勢いを維持すれば、年ベースで見た人口ピークは2020年代前半、5年ごとの国勢調査ベースでは2025年となり、その後の減少局面でも高水準を持続すると期待できた(図表2)。

 そこに新型コロナウイルスの襲来である。

 5月は入国規制の外国人、景気悪化、自粛の日本人双方ともに例年にない減少となった(7月7日号参照)。1~4月の積み上げがあるので、直ちに影響を受けるわけではないが、海外での感染拡大継続と東京都発の第2波でこの先影響が長期化すると2020年通年の帰趨も心配になる。
前回の人口減少時、東日本大震災時は、年間の自然増減がマイナスに転じたばかりの局面だったので、社会増減の回復により人口増加基調に復すると期待され、事実2015年の国勢調査で千葉県人口はピークを更新した。

 今回は自然増減のマイナス幅が年間2万人を越えており、増勢持続の難易度は高まっている。昨秋の台風被害で傷ついた千葉県の住みやすさの象徴である「安心、安全、快適、便利」の回復に加え、新型コロナウイルス感染拡大の教訓を生かした東京都一極集中の是正に貢献するなかで働く場所としての魅力も高め、この難局を乗り切りたい。

 2025年に向け、思っていたより早い勝負所だ。

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