Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

成田空港「第2の開港」の経済効果(その2<試算>)

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年4月7日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 成田空港の機能強化に伴う経済効果については、2月24日付の点描で定性的な考え方を示した。その後3月24日、千葉銀行が定量的な分析結果(「成田空港第2の開港プロジェクトの経済波及効果」)を公表。ちばぎん総研がその分析を担当したので、概要をご紹介したい(表)。

 

  • 成田空港が28年度末を目途とする滑走路の新設などによって機能強化され、周辺の産業集積が2040年度頃に向けてある程度進んだと仮定。産業連関表を用いて波及効果を算出。
  • その場合、40年度の空港を中心とした経済波及効果(売上高ベース)は年間4兆円程度。これは24年度に比べ年間1.6兆円程度の増加となり、県内生産額の約4%に当たる大きな規模。
  • 25~40年度の累積の経済波及効果は55兆円程度にのぼり、24年度から上乗せされる分は累積19兆円程度。
  • 経済波及効果の内訳は、①旅客・貨物輸送に伴う経済活動、②建設投資(現状判明しているもの)、③空港周辺の新たな産業集積(エリアの広さを80haと想定)の3種類。このうち①が大半を占める。

 こうした試算は一定の前提に基づいたものであり、今後の展開次第でも変化しうるため、幅を持ってみる必要がある。ここにきて用地買収の遅れから滑走路の延伸・新設が後ズレする見込みとなっており、そのことで経済効果の発現に時間を要する可能性が高い。

 一方、現時点では判明していない建設投資が潜在的には存在するとみられるほか、周辺の産業集積についても控えめに見積もっている面もある。さらに、千葉県全体の国家戦略特区への指定による全県への経済波及効果が含まれていないことなども踏まえると、今回の試算結果より上振れる余地も十分にある。

 特に大事なのは、後者に関連した産業集積や新たなビジネスチャンス。成田空港の「第2の開港」が、成田周辺にとどまらず県全体に波及するためには、自治体間や企業間、自治体・企業間の連携を含め、オール千葉での取組みが大事だ。

 

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