わたしの意見-
水野 創

米国が利上げ。12月短観の日本も満更でない

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2015年12月17日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 米国が利上げを決定した(16日)。市場はとりあえず冷静に受け止めているが(図表1)、巨額の投資資金が減るわけではないので、材料次第で引き続き振れはあるだろう。

 米国経済は金利を付けられるところまで回復してきたわけだが、日本もここに来ての指標は悪くない。

 14日に公表された日銀12月短観、業況判断は前回調査比横ばいだったが、アベノミクスの好循環の起点と期待される大企業製造業の15年度設備投資計画は12月調査としては06年度以来(前年比+16.5%)の高い伸びとなっている(図表2,3)。

 ほぼ実績が固まっている15年度上期は、例年並みの下期以降への先送りがあったが前年比10.2%増加しアベノミクスの3年間では一番高い。

 下期は上期からの繰り延べ分もあり高い計画になっている。例年通り今後下方修正させることは間違いなく、その程度は①新興国経済や地政学リスクと米国経済の回復、為替円安傾向の綱引きとなろうが、②消費税引き上げの影響を大きく受けた2014年度より大きいことは考えにくい。

 地域別・業種別・規模別の差は残り、勢いが期待したほどではないが、全体として緩やかな回復過程をたどっていることは確認できたと思う。

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