わたしの意見-
水野 創

2016年はより元気な年に

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2015年12月25日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 2015年もあと数日を残すだけとなった。

 2015年の日本経済で印象的なのは以下の諸点だ。

 ①消費税引き上げの影響を克服し2年ぶりにプラス成長を回復した。

 ②株価、為替円安のピークは6月でその後は横ばい圏内(米国金融政策、中国リスクの見極め)。

 ③消費者物価指数は前年比マイナスに(消費税8%引き上げ時には2度とないと思っていた)。

 ④家計部門のマインドは慎重なまま。所得は伸びても消費には結びついていない。

 ⑤地域別、業種別、規模別の回復力の差は残ったまま。

 こうした傾向は特に秋口まで強かったが、最近発表された法人企業統計、短観、GDP2次速報等を見ると企業部門の回復基調に心配ないことは確認できた。

 2016年は2015年に勢いを削いでいた要因が改善するほか、明確な支援材料もある。より元気な年になると思う。

 ①米国経済の回復力が金利引き上げで確認され、日本と中国・韓国の政治的緊張も緩和方向。

 ②選挙・消費税10%引き上げを控え、各種成長戦略・経済対策が実施される。  

 ③海外関係の収入(海外投資、訪日外国人客)は引き続き増加する。

 このほか東京圏では東京オリンピック・パラリンピックの準備本格化、圏央道・首都圏空港の建設・機能強化、地価上昇範囲の拡大、また地方圏では地方創生戦略が具体化する年だ。

 これらにより企業、家計のマインドが積極化し、また、そうした変化を引き出す商品・サービスが創造されることを期待したい。

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