わたしの意見-
水野 創

地震・原発事故後の改定経済見通し――できるだけ早く普通の生活に

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」4月20日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 地震・原発事故後の改定された経済見通しが各調査機関等から発表されている。

 余震、原発事故、この夏の電力事情、サプライチェーンの復旧時期等の行方がはっきりしない現状で前提はさまざまだが、発表された見通しを単純平均すると以下のようになった。

 平均的な見通しは以下のように考えることができよう。

 1. 平成23年度の減速は避けられないが、平成24年度には復興需要による回復局面に入る。

 2. 四半期の推移を見ると、1-3月は前期比横ばい圏内にとどまり、4-6月はマイナス成長となるが、7-9月には、サプライチェーンが回復してくるとともに、夏場の電力不足も需要・供給双方の努力で何とか克服しプラス成長に戻る。下期からは復興需要が本格化し高い成長を実現する。

 この見通しは今後の情勢変化如何で上下どちらにも振れる可能性があるが、このうち、消費者のマインド萎縮、自粛、風評被害等により地震直後から落ち込みが目立っている個人消費が今後どのように回復するかも重要なポイントになる。

 個人消費は今後の我々の日々の活動によって変化する項目である。

 計画停電の打ち切り後、QVCマリンフィールドでのプロ野球開幕、TDLの再開、成田太鼓祭りの開催等徐々に元に戻りつつある。よりよい方向に進むため、被害にあわれた方の気持ちにも十分配慮しながら、私たち一人ひとりが、できるだけ早く普通の生活に戻るよう、意識して努力することが重要だと思う。各地のにぎやかな夏祭りを期待したい。

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