わたしの意見-
水野 創

善戦したが――夏場の消費動向

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」8月25日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 夏場の消費は、大震災・原発事故による痛手をどこまで癒してくれるだろうか。期待と不安を持ってシーズンに臨んだ。

 会員の皆様のお話や最近の各種統計等によると、夏場の消費は、春のGW時に比べ個人客を中心として着実に回復しているが、団体客、外国人客の回復の遅れを補い「癒し」を感じるには距離があったと総括できよう。

 回復の背景には、(1)自粛の一巡、(2)地デジ・節電対応需要の盛り上がり、(3)猛暑の到来がある。一方、全体を押し上げる迫力には乏しかったのは、(1)余震、放射能への不安が払拭できなかったこと、(2)雇用情勢が厳しい中、政治の混乱による復興予算の遅れもあって、所得が伸び悩んでいること、(3)週末の天気が不安定だったり、節電対応で勤務が不規則になり家族で動きにくかったことなどが考えられる。

 秋から年末の需要期に向け、千葉の魅力の強化・発信を続けると共に、新政権の発足により消費の足を引っ張る諸要因が解消に向かうことを期待したい。

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