わたしの意見-
水野 創

経済見通しに込めた思い~2ヶ月連続の金融緩和強化~  

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」11月1日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日本銀行は10月30日の金融政策決定会合で、2ヶ月連続の金融緩和強化を決定した。

 今回の決定は基金の11兆円増額と共に、政府との共同文書作成や新基金設定など新しい施策を盛り込んだが、市場の大きな反応は見られなかった。金融政策の強化だけでは効果が限られているとの共通認識が示されていると思う。

 今回の決定会合では金融緩和の強化と同時に2014年度までの経済見通しと政策委員の見通し分布チャートも公表された。

 このうち、見通し分布チャートは前回までのチャートとは形式が改められておりこれまでと単純な比較は出来ない。

 しかし、昨年の今頃と比べ、中国経済の中期的な減速、欧州経済のバブル後遺症の大きさ、我が国の復興需要のピークアウトなど下振れリスクが明確になる中での今後2年間の見通し作成である。2013年度、2014年度と先になるほど、チャートは見通しの中央値から下方に広がっているように見える。

 今回の消費者物価見通しについて、民間調査機関等の見通しに比べ高めとの評も聞かれるが、「環境の厳しさを嘆くのではなく、新しい目標とその達成の困難さを明確に認識したうえで、戦線を立て直して挑戦しよう」と訴えているように感じた。

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