わたしの意見-
水野 創

注目される今後の輸出入の行方

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」3月28日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 安倍首相の「大胆な金融緩和」発言をきっかけとした「超円高の修正」、「株高」は、7月の参議院選挙に向けた最初の関門である3月期末を突破する勢いだ。

 円高修正や株高の企業活動への波及経路は、円高修正の輸出増加・輸入減少効果、株高の資産効果(高額商品の売上増加等)、それらの収益、設備投資、雇用への波及などさまざまな経路が考えられるが、今回はそのうち、輸出入について確認しておきたい。

 貿易統計(財務省)は現在2月分まで公表され赤字傾向が定着しているが(3月28日公表)、これを、数量、価格(円建て)に分解してみると、価格面では輸出入とも円高修正の効果が明確なのに対し、数量面では漸く変化の兆しを感じる程度である。数量面は、契約から物の動きまでラグがあるうえ、為替変化の価格要因だけでなく海外経済の減速の影響等も受けているだけに、変化まで時間がかかる。

 今後、輸出は、世界景気の回復による需要増加と円安による競争力回復により数量も増加し、輸入も国産品への回帰が進むこと期待される。それがどの業種でどの位のスピードで実現されるかは、来週明らかになる日銀短観(3月調査)や5月以降の3月期決算企業の業績・見通し発表により明らかになってこよう。

 結果を注目したい。

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