わたしの意見-
水野 創

超高齢化社会に向けた街と産業興しを

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」4月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 3月27日、国立社会保障・人口問題研究所が都道府県別の2040年までの人口推計を公表した。

 千葉県については、弊社が千葉銀行の委託を受け昨年推計した3つのケースのうち、東日本大震災・原発事故の影響が続く最も慎重な推計とほぼ同様の結果だが、今回の公表で、全国や千葉県の周辺の都県の計数を比較できるようになった。

 以下のように、今後の高齢化社会の姿と千葉県の立ち位置が明確になってくる。

 ① 人口は首都圏1都3県でも30年で約1割の減少となる(全国16%減、千葉県14%減)。

 ② 1都3県の65歳以上人口は5割増(全国31%増、千葉県46%増)、75歳以上人口は9割増(同57%増、94%増。神奈川、埼玉県はそれぞれ101%、103%増)。

 ③ 各地で65歳以上の比率が5人に一人から3人に一人に。75歳以上の比率が10人に一人から5人に一人に。

 ④ 1都3県人口の全国シェアは増加(28%→30%)。千葉県の全国シェアは横ばい(5%)。

 千葉県は上記の通り慎重な推計である。今後復興が加速し千葉県のブランド力が強化されれば、1都3県の動きにより近づくことが考えられる。

 何れにしても、30年後には、75歳以上の方がほぼ今の65歳以上の方の割合になる。一人一人が一日も長く元気で、いくつになってもそれぞれの元気さに応じて社会で役割を担うことが期待される。こうした社会にふさわしい新しい街づくりと、そこで必要になる産業興しに直ちに取り組むことが重要だ。

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