わたしの意見-
水野 創

6月短観では輸出計画も上方修正

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」7月11日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 先週日銀6月短観が発表された(7月1日)。アベノミクス後約半年、企業の輸出、設備投資等の計画は上方修正されており、変化を確認できる内容だった思う。

 今回はこのうち、超円高是正定着後の輸出について計数を紹介する。

 製造業の2013年度輸出売上の計画は前年度比+5.4%、うち上期+3.4%、下期+7.4%と、2012年度の減少から増加に転じ下期に向けて伸びを高めている。大企業、中堅企業、中小企業の規模別にみても下期には全ての規模で前年比プラスを計画しており、広がりを感じさせる。

 この間我が国の輸出実績を見ても、実質、名目ともに増加に転じている。さらに、今般公表されたIMFの世界経済見通し改訂版でも、年末に向け成長率を高めていく姿となっており、超円高修正の定着により輸出が増加しやすい環境が整いつつあると思う。

 今回の短観でも示されたように、現時点ではアベノミクスの効果について企業規模別の差が顕著である。次回以降の調査では、効果の浸透、環境の改善により企業規模別の差が縮小していくことを期待したい。

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