わたしの意見-
水野 創

2020年の日本と千葉~東京オリンピックの後に備える

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」10月17日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 台風26号の被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申しあげます。

 さて、「2020年東京オリンピックまではお祭り騒ぎが続くとして、その先は一体どうなるのだろう」と尋ねられることが多い。

 確かに、祭りの後の冷え込みは心配だ。

 国、首都圏、千葉県にとって必要な2020年対応を、私は次のように整理している。

 まず、第一に、国全体でみると、2020年度は基礎的財政収支を黒字化させる目標年度となる。オリンピックも活用して高めの経済成長を実現し、所得が増加する中で財政再建(歳入増加と歳出抑制)の痛みに立ち向かう政治のリーダーシップを期待したい。因みに、内閣府の8月の中期財政計画では2020年度の名目GDPは2013年度に比べ2割程度増加する(経済再生ケース:620兆円、+27%。参考ケース:561兆円、+15%)。その過程と成果如何でその後の経済の流れが決まってくるだろう。

 第二に、首都圏では、2020年に向け人口、インフラ資源等の一極集中が加速する。オリンピック終了後に、オリンピック関連需要の減少を国内需要だけで補うのは力不足であり、資源の過剰が生じる可能性が高い。世界中から人と投資を首都圏に呼び込むため、今後の成長戦略で国際ビジネス・観光都市としての魅力を増すことが大切だ。

 第三に、千葉県は、県全体の人口は2020年まで増加するが、都市部と郡部別では、都市部の増加と郡部の減少と明確に分かれ、郡部では高齢化の進展も著しい。それぞれの地域は、首都圏の中で、特徴を活かして生き残っていくためのインフラ整備と新しい街づくりを進めていく必要があると思う。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。