わたしの意見-
水野 創

再起動を始めた為替、株式市場

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」11月28日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 この2週間、為替円安、株価上昇が続いている。春先からの横ばい圏内から解き放たれたようだ。

 米国の経済指標が改善し長期金利は上昇している一方で、来年2月にFRB議長に就任するイエレン副議長が緩和継続を証言し、バーナンキ議長がこれを支持していることが基本的背景と指摘されている。

 また、中国は「天安門突入」事件等を受け、これまで以上に高めの成長率の維持による国内の不満抑制を図る必要があるはずで、同国経済の減速懸念を和らげている。

 これに対し国内経済はオリンピック招致決定の後の有力な支援材料がなく停滞感も生じていた。国会は秘密保護法の議論に関心が移り、成長戦略は、薬のインターネット販売を巡り三木谷楽天社長が産業競争力会議民間委員辞任を一時発表するなど弾みがつかない。

 こうした状況下、今回の円安、株高はこれからのクリスマス・年末商戦を盛り上げ、所費税引き上げに備える体力・気力を蓄える好材料になったと思う。

安倍政権は幸運に恵まれている。

 もっとも海外にはかく乱要因も残っている。米国議会のねじれによるかく乱であり、中国の対外強硬路線である。状況次第で市場は投機資金に振り回されるという心構えが必要だろう。

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