わたしの意見-
水野 創

千葉県内企業の7~9月期景況感は改善

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」10月30日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 米国の金融緩和終了がいよいよ決まった。

 世界経済の成長率見通しの下方修正を材料に10月中大きく振れていた為替・株式市場も一つの節目を迎えるだろう。大荒れだった市場も、実際の決定は冷静に受け止めているようだ。

 結果的に8月までに比べ為替は円安基調、株式は横ばい圏内となっているが、この間、最近発表される最新の国内経済指標や各社の上期決算の状況は改善方向で、市場の振れの大きさが足元の経済の動きとかけ離れていたことを改めて認識させる。

 因みに24日に発表された千葉県内企業を対象とした千葉経済センターの経営動向調査も、回収期間が9月5日から10月7日と今回の大きな振れが起こる直前の円安、株高進行時期だったが、7~9月期の全産業・景況感(水準)は2期ぶりに「改善」超になり、先行きについてもほぼ横ばいを見込んでいる(図表1)。

 業種別に見ても、所得・8月の天候要因の影響を大きく受けた個人消費関連の食料品(製造業)、卸売、小売、サービス(以上非製造業)が「悪化」超となっているが、他の業種は「改善」超となっている(図表2)。

 そして今後、企業業績改善が賞与の増加などを通じで企業部門から家計部門に波及し、所得の増加が物価の上昇に追いついて来ることが期待され、実際、今回「悪化」超だった個人消費関連も先行きについては、サービスを除き「改善」に転じると見通している。

 今後も見通しの発表や政策の節目毎に市況の激動が予想されるが、これらが経営者のマインドを委縮させないよう願っている。

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