わたしの意見-
水野 創

期待される企業から家計への好循環

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」12月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 月末を挟むこの一週間で多くの経済指標が発表された。

 法人企業統計(1日)では、売上、経常利益、設備投資、在庫投資等主要項目で企業の元気の良さが確認された(表1)。これを織り込む7~9月の実質GDP2次速報(8日予定)も上方修正される見込みだ。1次速報のマイナス成長が消費税再引き上げ延期の決め手にされたが、設備投資のほか、大幅な成長率押し下げ要因となった在庫投資、さらには季節調整替えされる過去の計数等がどんな姿に変化するのだろう。再引き上げ延期の評価にもつながっていく。

 千葉県のビッグニュースは地価LOOKレポート(28日)で「千葉駅前」が前回までの下落からついに横ばいになったことだ(表2)。次の課題はブランド力の回復。東京圏の横ばい7地点のうち5地点が県内、うち新浦安、柏の葉は東日本大震災の影響払拭次第になる。

 なお、全国で上昇地点は拡大しているが上昇幅は最大+3~6%(2地点)でリーマンショック前(2007年10~12月)の+6~9%(5地点、+3~6%は45地点)とは勢いが違う。成長戦略の評価を表しているのだろう。

 この間、県人口は着実に増加。首都圏でみると東京都への集中振りは相変わらずだが、千葉県の4月以降の増加率は埼玉、神奈川と並んだ(表3)。

 以上、企業部門、経済全般の指標は引き続き回復に向かっている。今後、雇用、賃金等家計部門への浸透が加速し(表4)、経済見通しの下振れ(ESP調査の2014年度成長率見通しは8月以降の4ヶ月連続下方修正)に歯止めがかかることを期待したい。

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