わたしの意見-
水野 創

期待通りの賑わい―今年のGW

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2015年5月14日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 GWが終わり交通各社の利用状況等が相次いで発表された。勢いを感じさせる結果だ(表1)。

 今年のGWは、①賃金・雇用の改善、②株高による資産効果、③原油価格低下効果、そして④消費税引き上げの影響一巡による4月の実質賃金プラス転換と「新しい局面を迎えた個人消費」の力が示される最初の機会だったと思う。後半は5連休で日並びがよく、天候にも恵まれて、人出は多いように感じていたが、数字の上でも一安心できるものだった。

 発表内容を見ると、北陸新幹線、成田空港第3ターミナル等インフラ整備、新商業施設・アトラクションなど新規性・ブランド力強化といった各地の努力が明確に成果に結びついている(表2~4)。もとより、前年を下回っているものもあるが、路線競合、減便などの背景が明確だ(表3,4)。

 昨年度の家計部門は、消費税引き上げを含めた物価上昇に所得が追いつかなかったうえ夏場以降は天候不順の影響を大きく受けた。企業部門もこうした個人消費への近さ、首都圏からの距離、企業規模により業況の差がついた。

 今年度は今後も天候に恵まれ個人消費の基調改善が定着し、それを起点に企業部門の差も縮小するよう期待したい。

 今後、家計部門の基調回復がスーパーでの汎用品の値上げ浸透や遅れている自動車、住宅の回復によっても確認されて行くか注目したい。

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。