わたしの意見-
水野 創

県内市町村の人口は4年前比+12~▲5千人、+5%~▲9%

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2015年5月20日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 人口動向の分析や中長期展望は「地方創生」の第一歩だ。

 ここでは千葉県内の人口について、前年、4年前と比較(差・比)して整理し、展望につなげたい。表では各項目について県内で大きい方から5位以内の市・町を取り上げている。

 人口増加が大きい市の強みは、便利(東京への近さ)、快適(再開発)、安全(東日本大震災からの復興)、安心(仕事、子育て支援)だ。前年、4年前比較での順位の変化も、こうした強みの変化に対応していると評価できる。今後は、東京都、神奈川県、埼玉県対比の競争力向上、高齢者人口急増への対応等が課題になる。

 人口減少が大きい市、町は、多くが快適(自然、食事)では優れるが、便利、安心(特に仕事)、安全(風評被害を含む)で弱みを持つ。前年比▲1,000人、▲2%、4年前比▲4,000人、▲7%と厳しい状況が続く市、町も少なくない。各自治体ともこれまでから対応を模索しているが、圏央道の延伸、新インター開設を除き目立った成果はない。

 日本の人口が減少を続け、生活基盤の維持管理に膨大な費用が掛かることを考えれば、今後、地方創生に取り組んだとしてもすべての地域が生き残ることはできない。生き残りを目指すなら、地域が特徴を生かした「便利、快適、安心、安全」な町づくり、そして人を誘う「世界一」の「魅力」づくりの競争に負けるわけにはいかない。

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