わたしの意見-
水野 創

人口増加を維持:千葉県国勢調査速報

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年2月8日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 昨年(2015年)10月に行われた国勢調査の千葉県の速報が公表された(2月3日)。

 千葉県の人口は6,224,027人、前回(2010年10月)調査比7,738人の増加とこれまでの増加基調を維持してピークを更新した。

 速報公表までの2015年10月の千葉県人口の推計値は、2010年の国勢調査結果に毎月の住民基本台帳の増減(出生・死亡・転入・転出)を積み重ねた値で6,207,990人、5年前比では8,299人の減少だった。国勢調査で悉皆調査をしたところ、推計値を16,037人上回り、5年前比で減少から増加に転じ、ピークも更新したことになる(図表1)。

 また、今回の速報値を、前回国勢調査後に弊社が推計した千葉県人口と比べると、東日本大震災の影響を克服できないケースの推計3を上回り、2000年代の転入増加ペースに復帰するケースの推計2に近づく姿となっている(図表2)。

 今後の一層の高齢化や2020年東京オリンピック・パラリンピック後の景気後退などを考えると、5年毎の国勢調査で人口が増加するのはおそらく今回が最後のチャンスだった。因みに上記推計2も2015年がピークとなる。

 それだけに、今回の結果がプラスとなり、①交通インフラの一段の整備や多くのプロジェクトの進捗により、②東日本大震災やリーマンショック後の超円高・グローバル競争の激化による産業構造の激変を乗り越え、③東京都、神奈川県、埼玉県同様(いずれも未公表だが)の増加基調を示せたことは、首都圏の一角としての千葉県のブランド力を維持する上で重要な意味を持つと思う。


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