わたしの意見-
水野 創

元気な地域には元気な産業が必要~国勢調査と経済センサスを見て~

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年2月25日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県の人口は、全体としては東日本大震災の影響を克服し5年前に比べて増加した(2015年10月国勢調査の千葉県速報)。しかし、自治体別にみると増勢を強めた先から減勢を強めた先まで様々だ。

 そして、企業や事業所の国勢調査に当たる「経済センサス」で今回の国勢調査の5年間にほぼ重なる2009年から2014年の従業者数の変化を、自治体別に国勢調査結果と並べてみると、多くが右上から左下にかけて分布しており、従業者と人口が同じ方向になっている自治体が多いことが分かる(図)。

 人口の変化は自然増減(出生-死亡)、社会増減(転入-転出)に分かれ、勤務地と住む場所が異なる従業者も多いので、人口と従業者の動きが一致するとは限らないが、全体としてみれば、人口の増える地域には企業も集まってくる、業容拡大、起業や進出にあわせ人も移り住んでくるということだろう。

 各自治体の地方創生が成功するためには、地域の企業が元気になること、産官学金労が連携して地域の企業の発展を応援することが重要だと改めて思う。

 この間、図の右下の領域にある自治体は「従業者は増えたが住んでくれない」状況になっており、その理由を分析し、別途の対策が必要になる。

 なお、こうした現状の詳細については、近く行う予定の「千葉県プロフェッショナル人材戦略拠点開設記念セミナー」(注)で講演をさせていただくことになっている。

 (注)日時・会場:3月8日(火)14:00~16:00 ホテルグリーンタワー幕張 ※参加費は無料
  主催・問合せ先:公益財団法人千葉県産業振興センター プロフェッショナル人材戦略拠点                   
  TEL:043-299-2903(小川・安孫子)

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