わたしの意見-
水野 創

人口増減の地域差は一層拡大

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2016年6月9日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 千葉県の3,4月の社会増減(転入-転出)は前年を上回ったが、首都圏(1都4県)のうち3,4月の社会増が前年を上回ったのは千葉県だけだ(図表1。茨城県は減少幅縮小)。

             

 新しい住所に千葉県を選んだ人がなぜ増加したか興味深いが、県内の自治体毎に3,4月中の社会増減を前年と比べてみると、前年を上回る増加となっているのは東京都に近く、交通インフラが充実している地域に多い(図表2。増加幅の大きい18自治体中増加幅拡大は13。その外側には茨城県のように減少していても減少幅は縮小している自治体が多い<減少29自治体中減少幅縮小は12>)。

 3,4月の社会増減の減少が前年より大きい自治体は24だが、その多くは東京都から距離のある、そもそも減少幅の大きい地域である(図表3。減少幅の大きい18自治体のうち12)。

 

 各自治体は地方創生の実現に懸命に取り組んでいるが、今年の人口移動ピーク期の結果を見る限り、東京からの距離・交通利便性の差を乗り越えるには一層の工夫が必要である。


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