わたしの意見-
水野 創

首都圏における千葉県ー内からと内からと外からで異なる見方ー

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年7月12日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 6月の外環道・三郷南IC~高谷JCT開通により、県内の常磐線沿線と総武線沿線の距離は一挙に縮まった。同時に、整備された高速道路により、千葉県は首都圏の中でも「二つの国際空港を活用できる」、「温暖な気候、恵まれた里山里海、海の幸、山の幸を楽しめる」といった特徴が一層明確になっている。

 近年の変化は、高速道路の整備状況を3時点で比較した図で見るとよく分かる。

 1980年代は成田空港と都心を結ぶのみ。まさに「半島行き止まり」のイメージだ。2010年、アクアラインが完成し外環道、圏央道の整備が始まったが、まだ隙間も多い。これに対し、現在、ネットワークはほぼ完成し、空白部分の接続も視野に入っている。

 千葉県で仕事をしていると、こうした評価を当然と思っていたが、最近、東京都の作成した「都市づくりのグランドデザインー東京の未来を創ろうー」(2017年9月)を見ていたら、「広域的なレベルの都市構造」を標榜しながら、図では、なんと房総半島の南側は省略されていた。

 道路網充実の意味合いや地方創生での空き公共施設の活用事例などがまだ十分知られておらず、将来、高齢者であふれる東京都から房総半島各地の日本版CCRCなどに移り住む人が増えることも念頭にないのだろう。

 千葉を知ってもらう努力を、これまで以上にしなくてはと思った。

 なお、本文中の東京都の図はFAXではきれいに送れないため、興味のある方は東京都都市整備局ホームページをご確認ください。

地図は上から1980年、2010年、2018年

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