わたしの意見-
水野 創

景気の実態、マインド、事業計画

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2018年7月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 景気指標が振れている。1~3月の実質GDP成長率は企業部門のデータが追加された2次速報でも低いままだった(表1)。2017年度の成長率は見通しを下回り、2018年度も下方修正が目立つ(表2)。成長率の下振れは需給バランス悪化を意味し、コストアップ分の価格への転嫁を厳しくしている。

 トランプ大統領の選挙対策を主因に市場も動揺している(表3)。米朝首脳会談を経て調整色が強まり、選挙対策次第で先行きへの懸念も高い。

 こうした中で、企業、家計のマインドも慎重になっている。短観の業況判断DIは昨年12月をピークに低下しているが、今回調査では低下業種数が多く、特に大企業・小売の低下(11→0%ポイント)が目立った。現時点で企業の18年度事業計画は崩れておらず、設備投資も強いが、2018年度は増収減益、また製造業の利益は下方修正されている(表4)。

 市場の変化にトランプ大統領が機敏に対応し、また、日銀が7月に行う物価動向の検証でしっかりした方向が示されるよう期待したい。

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