わたしの意見-
水野 創

様々!最近の消費者意識。回復スピードは遅いが

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年11月4日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  景気は回復に転じているとはいえ、そのスピードはこれまでのところ期待比遅い。

 身の回りでは、自宅最寄り駅ビルショップ街での退店や営業時間短縮、取扱商品の圧縮、自宅に毎月送られてきた通販カタログの送付回数見直しなど遅れに対する様々な経営努力が行われている。

 10月22日発表の日銀「生活意識に関するアンケート調査」でも、コロナ関連の新設項目で①外出回数減や収入減による支出減少の多さや、②娯楽・レジャーの外出を減らした人の過半が今後も3月以前の水準に戻さないとしていることが示されている(表1、2-a)。

 一方で、同じ調査では、三分の一の人が在宅時間を楽しむための支出を増やしており、今後についても8割以上の人が増やすまたは変えないと答えている(表2-b)。また、今後1年間の商品・サービスの選択基準では、信頼性が高い、機能が良い、安全性が高いなどが3月調査から増加。一方、最重視項目ながら価格が安いは大幅に低下(表3)。

 今回の調査では、人々がコロナとの共存の長期化に備え身構えるとともに、その中でも生活の質を高めたいと工夫もしていることがうかがわれる。

 これも身の回りの例だが、イベントで使っていた電子ピアノを最新型に買い替えようと店に問い合わせたところ、「最速でも入荷は中旬」と言われ、メーカーでも「数か月待ちのお客様もいらっしゃる」とのことだった。

 こうした消費者の意識にこたえる経営を行い、この厳しい期間を乗り切るとともに、GoToトラベルへの東京都の対象追加や秋の行楽シーズン本番とも相まって消費の回復スピードが速まることを期待したい。

 

(出所)表1~3:日本銀行「生活意識に関するアンケート調査」

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