わたしの意見-
水野 創

脱東京都がより明確に―9月の人口動態

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2020年11月9日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

  9月中の人口動態統計が発表され(千葉県、10月30日など)、脱東京都の動きが一段と明確になっている(表1)。

 日本人の人口動態が発表されている千葉県と東京都について、他都道府県との移動状況を、①年度末前後の人口移動時から緊急事態宣言解除まで(3~5月)、②解除直後(6,7月)、③最近(8,9月)と2,3か月ごとに区切ってみると、千葉県と東京都との違いが明確だ(表2)。

 ①千葉県は3期とも昨年を上回る転入超過。東京都は3期とも昨年を下回り、解除直後でゼロ近傍、最近はマイナスと変化している。

 ②他都道府県との移動を転入、転出別にみると、千葉県は共に昨年を下回る動き。東京都は転入が昨年を下回る点は変わらないが、転出は解除直後から昨年を上回り、最近はその幅が拡大している。

 冬場を迎え、欧州、米国等海外で再流行の動きが顕著で、日本でもその兆しが表れている。人口集中が特に進んでいる東京都を警戒する動きはしばらくは続くと思う。こうした人・企業に対し「安心・安全・快適・便利」をどこまで提供できるかで地域ごとの受け入れ幅が決まってくる。各地域のしっかりした環境整備が期待される。

 なお、神奈川県は10月1日を基準日とする国勢調査の結果が出る来年(2021年)6月までは統計の公表を休止するとしている。地域の今後にとって重要な時期に残念だ。

 その国勢調査については10月20日に締め切られ、回答状況が発表された(表3)。千葉県は全国平均を上回っており、特にインターネットでの回答率は上位にある。良い結果につながるよう期待したい。

 

 

  

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