わたしの意見-
水野 創

好調なGW観光の前触れ―3月空港別国内線旅客数

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年5月11日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 まん延防止等重点措置が解除され今年のGWは好調と伝えられている。

 GWの約1か月前、3月の空港別国内線客数にその前触れが感じられるので紹介したい(図表1~3)。

 ①3月の成田空港の国内線旅客数は、524千人、前年比2.3倍で、2019年(699千人)の75%まで回復した。昨年秋以降の回復傾向に弾みがついている。

 ②全国の状況を見ると、国内線旅客数100万人以上が羽田、福岡、沖縄(那覇)の3空港、50万人以上100万人未満が新千歳、大阪国際、成田の3空港、10万人以上50万人未満が12空港となる。

 ③10万人以上の空港の所在地を見ると、春の訪れの早い地方、九州の鹿児島、長崎、宮崎、熊本空港、沖縄県の石垣,宮古空港などが圧倒的に多い。北海道には13の空港があるが、この時点で10万人以上は新千歳空港のみである(新千歳に次ぐのは函館空港の8万人、女満別空港4.6万人)。

 ④前年比では、成田空港の高さが目立つ。コロナ禍でも積極的な路線拡大を図っているLCCの拠点として利用客の需要をとらえているとみられる(3月の国内線旅客便発着回数は前年比2.1倍。2019年の78%)。

 今後統計が明らかになるGWを含む4,5月は、春本番の北上と共に、観光客も北上する。成田空港のLCC用第3ターミナルにはアクセス通路が新設され、出発ロビーも拡張された。

 海外からの観光客受け入れが回復するまでの間、国内のお客様を、地域に、できるだけお迎えするようにしたい。

 GW明け後も落ち着いた感染状況が続くよう願いたい。

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