わたしの意見-
水野 創

人口回復に向けスタート!―4月1日現在人口

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年5月6日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 4月1日現在の千葉県人口は6,267,579人、前月比1,798人増加とほぼ一年ぶりに前月比増加した(図表1)。

 当月は就職、進学等で例年人口増加月だが、今年はこれに加えコロナ水際対策(海外との人的交流抑制)の段階的緩和、コロナ禍で密な東京都を避ける動き等例年と異なる要因があり、将来を展望するうえで結果に注目していた。

 増減の内訳で確認したい(図表2,3)。

 ①外国人については、水際対策の段階的緩和による入国者数増加の効果が表れている。今後、緩和がさらに進めば、一層の増加要因となることが期待される。

 ②東京圏1都3県を見ると、3月中は全都県で増加しているが、東京都の増加拡大が目立つ。コロナとの共存が進み、特に、就職、進学等で転入してくる世代が重症化リスクの低い若い世代であることを考えると、密な東京を避ける動きも逆に振れだした可能性がある。今後の感染拡大・重症化リスク状況にもよるが、「受け皿」を前提とした地方創生の取り組みは前提を修正し事業の魅力を高める必要が生じる可能性がある。

 ③自然増減のうち出生は、1~3月中、前年を上回っており、落ち込みが大きかった前年(前年比▲4.5%)からの変化を期待。

 ④この間、高齢化の進行に伴い死亡は確実に増加している。

 東京圏は、4月中、転入超が続き、今年は5月以降も水際対策の段階的緩和効果が期待されるため5月以降も増加を続けることが展望される。

 千葉県人口は4月1日時点は3年前、2019年の水準に戻ったところだ。留意すべき要因もあるが、もう一度、2019年からの右肩上がりの歩みをできるよう、選ばれる魅力あふれる地域づくりに取り組みたい。

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