わたしの意見-
水野 創
期待したい成田空港活用協議会10年延長
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年6月2日号に掲載)
水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]
成田空港活用協議会は5月23日の総会で事業期間を10年延長した。ちばぎん総研は2013年の設立時から経済活性化部会を中心に多くの活動に参加しており、これまでの10年とこの先10年という期間の重みを改めて感じている。
2013年の設立は、「年間発着容量30万回化」の合意、オープンスカイの実施等を契機としたものだが、今回は今後10年間の、新滑走路等機能拡張の完成による「年間発着容量50万回化」、圏央道県内区間の全線開通等による県内アクセスの向上等を展望し、空港と房総半島等空港から離れた地域を含む県内経済全体の発展を目指している。
いずれも将来に向けチャンスを積極的に取り込むことを目指しているが、成田空港と地域を取り巻く環境は、10年前はリーマンショックの後遺症、東日本大震災、羽田空港の再国際化など、今回はコロナ禍とどちらも非常に厳しい点で共通している。
10年前の環境の厳しさは2011年の利用客数などの実績に表れているが、その後の動きを振り返ると、成田空港はLCCの拡大とアジア諸国からの訪日客の飛躍的増加という新たなチャンスを積極的に活かし厳しさを克服している。
コロナ禍の影響は前回以上に厳しく、発災から3年目に入り、成田空港は回復に向けてようやく一歩踏み出したところだが、今後の途上国を含む世界全体へのワクチン普及やウイルスの変異による死亡率の低下、さらには2024年のパリオリンピック・パラリンピックなど世界的イベントの開催などにより、内外の人の動きは、徐々にだが、これから確実に拡大すると思う。
10年後、追加された事業期間が終了する頃には、新たな課題であるSDGsへの対応も含め、これまでの10年間以上に成田空港と県内各地が発展していることを期待したい。
●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。