わたしの意見-
水野 創

人口は増加しているのに。減勢続く千葉市の年少人口

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2022年6月23日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所 前取締役会長]

 千葉商工会議所自由業部会の学校関係の皆さんと意見交換を行うため、最近の千葉市の若い世代の人口の動きを確認した(図表1)。

 ①千葉市全体では100万人都市を目指し、緩やかな増加を続けているが、年少世代は、起点となるゼロ歳で減勢に歯止めがかかっておらず、世代全体が減勢。この世代の子供とともに転入してくる子育て世代もいるが、出生数の減少の方が大きいのだろう。コロナ禍で大きく落ち込んだ後の回復も小幅。

 ②ゼロ歳の減勢の要因は親の世代の減勢にある。現在、母親の多くは30代前半を中心とする20代後半から30代後半まで。千葉市の年齢別人口を見ると、第2次ベビーブームの山をピークに減少基調が続いていることがわかる(図表2)。第3次ベビーブームらしい山はあるが小さい。

 ③この間、年少世代より上、大学入学、就職の年齢に当たる10代後半、20代前半になると転入増加の効果で増加基調を維持している。この年齢層の増加が千葉市の人口増加を支える一因となっているのだろう。

 このように、現状、千葉市では、今後も出生数の増加は見込みにくく、進学・就職世代、子育て世代等の転入増加に人口増加は依存することになろう。

 そうした世代が住みたいと思うとともに、住んでいる人たちが子育てをしたいと思う環境整備が重要だと思う。

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