日銀:次回の利上げは春頃の可能性も
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年1月26日号に掲載)
前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]
日銀は先週(1/23日)、金融政策決定会合を開催し、四半期毎に経済・物価見通しを示す展望レポートを公表。以下のとおり、経済・物価見通しは小幅上振れ(下表)。
①GDP成長率は、25年度0.9%、26年度1.0%と、政府の経済対策などを織込み10月対比でそれぞれ+0.2%、+0.3%の上振れ。27年度はその反動で小幅下振れたが、0.8%と0%台半ばとされる潜在成長率(経済の実力)を上回る。
②消費者物価上昇率は、ガソリン暫定税率廃止などの影響がでにくい除く生鮮・エネルギー(いわゆるコア)でみると、25年度が3.0%、26年度2.2%、27年度2.1%といずれも前回から小幅上振れ。強めの経済や円安傾向などを織込んだ。
③リスクは経済・物価とも概ね上下にバランスと評価。10月には、経済は下振れリスクが大きいとしていたので、経済対策などを反映して修正。物価については、過去に比べ円安がインフレの中長期トレンドに影響し易くなっているリスクも指摘した。
金融政策は先月利上げ後の現状維持(0.75%)を決めたが、政策委員9人中1人が1%への利上げを主張。背景は、2%インフレ目標は概ね達成され、物価の上振れリスクが大きいというもの。
会合後の植田総裁の記者会見では、次回利上げ時期についての言及はなし。市場からはハト派と受け止められいったん円安に振れたが、その後、為替市場で日米当局からレートチェックが行われたなどの噂で、介入警戒感が高まり円高方向に振れている。植田日銀としては、2月に総選挙が行われ政権運営・財政政策に関し不透明な部分が少なくないことから、現時点で先行きの利上げ時期を示唆することは適当ではないとの考えだろう。
植田総裁は4月の価格改定に関心があると発言。新年度で価格改定が集中しやすいためだ。これをデータで十分に確認するには新年度に入って数か月待つ必要があり、これまでの日銀の慎重姿勢を前提とすれば、次回利上げは6~7月と考えておくのが妥当のように思える。
ただ、4月会合時には価格改定に関しある程度の情報は集まるだろう。物価見通しが上振れ続ける中で、経済も堅調なだけに、円安が続くようであれば、26年度の物価の更なる上振れが3月にも見通すことができるかもしれない。3~4月利上げの可能性も意識しておきたい。
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