Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

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日銀:タカ派的な利上げの一時停止

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年4月28日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 日銀は本日、金融政策決定会合を開催し、四半期毎に経済・物価見通しを示す展望レポートを公表(主要計数は下表)。

 イラン情勢を巡る不透明感の高まりから利上げは見送り。しかし、以下のように、遠くない将来の利上げを示唆するメッセージは多く、「タカ派的な利上げの一時停止(a hawkish pause)」と言えるような内容であった。

 ①イラン情勢を受けた経済・物価見通しのうち、GDP成長率は26年度中心に小幅下振れたものの、補助金をはじめとした財政支出の影響などから景気の腰折れには至らず、緩やかな成長経路は何とか維持されるとの見通し。

 ②物価上昇率は明確に上振れ。補助金などの影響がでにくい「除く生鮮食品・エネルギー」でみて、26、27年度とも2.6%とかなり上振れ、初めて見通しが示された28年度も2.2%。これにより7年連続で日銀のインフレ目標2%を上回る見通し。

 ③リスクバランスは、経済は下振れ、物価は上振れ方向。ただ、賃金・価格設定行動が積極化していることなどを踏まえると、物価の大きな上振れリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう十分に留意する必要があるとの認識。

 ④金融政策については、9人の政策委員のうち3月会合より2名多い3名が利上げを提案。利上げ派が広がってきていることを示唆。

 以上の内容は、会合前の市場予想より多少タカ派的であった模様であり、為替円安は一旦多少修正され、株価は下落。

 イラン情勢の先行きや経済・物価への影響は不透明であり、6~7月に利上げが行われるかはなお不確実だ。ただ、日銀が物価高のリスクにやや軸足を移し、従来のハト派色がやや後退しつつあるように窺われる公表内容であった。

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