Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

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企業景気は堅調、物価上昇がやや加速──日銀6月短観

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年7月1日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 本日(7/1日)、日銀短観6月調査が公表された。

 業況判断の現状は、全規模・全産業で+18と引き続き良好な水準(表1)。業種・規模別には、製造業、中でも大企業の改善が目立った。

 大企業・製造業では、原油高を反映し石油・石炭製品などが悪化した一方、生産用機械や業務用機械、電気機械などが大きく改善。AI関連を中心とした世界的な投資ブームを反映したものと考えられる。

 非製造業は大企業、中小企業とも概ね横ばい。コスト高などを反映し建設業で小反落した一方、宿泊・飲食サービスや小売など個人消費関連が改善した。

 先行きは大きめの悪化となっているが、米・イランの終戦に向けた動きの進捗は殆ど反映されていないため、心配はないだろう。

 26年度の事業計画は、全規模・全産業で5年連続の増収・増益、投資増となった25年度の6月計画と同様であり、企業の前向きな姿勢を示したもの。

 項目別にみると(表2)、売上・収益については、26年度は売上増の一方、収益はコスト高を反映し小幅減だが高水準の計画。設備投資は、ソフトウエアを中心に26年度は6年連続となる増加の計画で、3月調査から大幅に上振れ。

 企業の価格判断は仕入・販売ともに3月対比で大きく上昇。中長期の物価観を示す5年後のインフレ見通しはジリジリ上昇し、6月には2.6%と日銀の2%目標をかなり上回る水準(表3)。

 今回の短観結果は、春以降に中東情勢が不安定化する中で、企業経営は総じて堅調さを維持している一方、物価上昇がやや加速していることを示すもの。

 企業活動の堅調さは、中東情勢の一段の悪化には至らないとの見方、官民挙げての代替調達から深刻なサプライチェーン障害は回避できるとの見通し、世界的なAI関連投資ブームの押し上げ、などを反映したものと考えられる。

 物価高に関しては、中東情勢が落ち着くとすればその好影響が期待される一方、円安や賃上げが進んでいることや、値上げは一旦始まると収束に時間がかかることなどから、暫くは値上げの動きが続く可能性に注意しておきたい。

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