千葉県地域産業成長プラン
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年7月21日号に掲載)
前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]
千葉県は、国が取りまとめる「地域未来戦略」と連動して、「千葉県地域産業成長プラン」(26~30年度)の策定を進めている。6月に原案を公表した後、パブリックコメントを集め、それらも踏まえて7月中には最終版を作成し国に提出する予定である。
高市政権は「強い経済」の実現に向けて、主に2つの計画の策定を目指す。国が戦略17分野の拠点として位置付ける地域ごとのクラスター形成に向けた「戦略産業クラスター計画」と、都道府県が地場産業の成長・発展に向け策定する「地域産業成長プラン」だ。
前者は5月に素案が公表され、全国を10ブロックに分けた上で、関東ブロックについては成田空港を軸とした「航空機産業」が挙げられている。今回の「千葉県地域産業成長プラン」は後者に関連するものだが、前者とも一部重なっている。
千葉県は、成田空港の「第2の開港プロジェクト」の進展、圏央道をはじめとした幹線道路ネットワークの充実、国家戦略特区の全県適用などもあって、もともと新たな産業拠点の形成を目指してきた。その中で国の産業強化の方針も後押しとなって、上記のような動きに結び付いていると整理することができる。
今回のプランでは以下の通り、5つの地域産業クラスターの形成・拡大を示す。
(1)航空宇宙分野(主に航空機整備):成田空港周辺
(2)資源・エネルギー安保・GX分野:京葉臨海、銚子沖など4海域
(3)創薬・先端医療・バイオ分野:千葉・かずさ、柏の葉
(4)AI・半導体分野:京葉臨海、東葛、東総
(5)情報通信分野(海底ケーブル、光ファイバー等):京葉臨海、北総部
産業クラスターについては今後、ヨウ素関連、港湾ロジスティクス、MICE、防衛産業についても検討するとしている。
また別途、観光や農林水産、食品関連、発酵関連、スポーツ・文化芸術など、千葉県の地場産業に関しても、面的に地域経済を支える事業を数多く創出していく方針も示した。今後、市町村との調整を経て分野等を決定していくとする。
千葉県は、成田空港の第2の開港などが梃子となって、産業発展のポテンシャルが大きい。今後の国や県の産業政策の展開を注視しながら、民間企業がそれを最大限活かしていくことがきわめて大事である。
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