Business Letter
「点描」
社長 前田栄治
黒野副知事「成田第2の開港PJ」─千葉商工会議所セミナー
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2025年12月19日号に掲載)
前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]
12月18日、千葉商工会議所が黒野副知事を招き、「『成田空港第2の開港プロジェクト』と千葉経済の発展について」をテーマに合同オープンセミナーを開催。
まず副知事から、空港の機能強化とその県経済への影響に関し、以下のようなお話があった。
- 成田は日本一の国際空港。アジアにおいて韓国(仁川空港)や台湾(桃園空港)などとの国際競争を勝ち抜くために、「国家プロジェクト」として機能強化の実現が不可欠。
- 周辺地域では、物流、航空宇宙、精密機器、健康医療、農業、観光の6つの産業で、地域未来投資促進法を活用。6つの産業は、県全体での発展も期待。
- 航空宇宙はメンテナンス事業から開始、観光は、インバウンド取り込みのため千葉県版ゴールデンルート造成を目指し、まずは養老渓谷温泉郷の魅力を向上させる。
- 交通ネットワークの面では、北千葉道路と共に新湾岸道路の整備が大事。鉄道は成田空港近くの線路の複線化による増便、都心へのアクセス改善を実現。
- 県全体の経済発展については、企業立地に関する補助金の充実、国家戦略特区の全県指定による規制緩和などを活用し、実現していく。
- 特区では既に幾つかの規制緩和を実現。他の特区で認められた規制緩和も適用可能。民間からワンストップ窓口に要望をいただきたい。
次に私が副知事と対談し意見交換。会場からの質問と併せて、主なものは以下のとおり。
- 「6つの産業」のうち医療や農業はどう発展させていくのか→(副知事)医療は医薬品産業の発展を中心に検討。医療ツーリズムは大事だが、医療従事者のマンパワー不足も考慮に入れる必要。農業は成田市場活用などで輸出促進に注力。
- 特区の具体的イメージが湧きにくい→(副知事)ビジネス環境改善が目的で民間の知恵が重要。6産業に限らず、都市整備や環境を含め気軽にワンストップ窓口に相談して欲しい。
- 新湾岸も重要だが高谷から西の渋滞対策も重要→(副知事)首都圏道路ネットワークをどうするかは別途、国交省と議論しているところ。
- 補助金は企業立地というハードが対象だが、観光では通訳・移動手段といったソフトへの支援が必要→(副知事)非常に貴重なご意見。
詳細は当社のマネジメントスクエアに掲載予定(来年4月号)であり、参考にして頂きたい。
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