Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

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千葉県の漁業~直面する課題と未来に向けた取り組み

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年6月23日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 ひまわりベンチャー育成基金は先週、「千葉県の漁業~直面する課題と未来に向けた取り組み」と題する調査レポートを公表(ちばぎん総研が調査・分析を担当)。

 本レポートは、国内・千葉県の漁業の現状を整理した後、千葉県の漁協の課題と取り組み、首都圏・消費者の魚介類の嗜好や摂取状況、千葉ブランドへの認知度などを調査したもの。その際、千葉県の漁協という生産者側とともに首都圏の消費者側の双方を対象にアンケートを実施した。

[調査結果の概要]

  • 世界では養殖を中心に生産量(漁獲・収穫量)が増加の一方、日本の生産量は減少を持続。
  • 日本の魚介類の一人当たり消費量は、2011年度に肉類に逆転され、その後も減少傾向。
  • 千葉県の生産量は全国15位。全国同様に生産量が減少する中、働き手は過去30年で7割減。主力の「いわし類」は安価な飼料用が多い。
  • 漁協向けアンケートでは、今後の取り組みとして「担い手確保」のほか、地域資源を活かした「海業」や「国内販路拡大」なども多い。ただし「水産加工業」などとの連携は少ない。
  • 消費者向けアンケートのポイントは以下のとおり。
  1. 魚介類が好きとしつつも、週2~3回以上食べるとの回答は5割程度にとどまる。嗜好や摂取頻度は高年齢層や高所得層ほど高い傾向。
  2. 魚介類は「ヘルシー」などとする一方、「骨が多く食べにくい」、「調理が面倒」であることが購入の妨げ。摂取頻度が高い層は鮮度や産地を、低い層は食べやすさをより重視。
  3. ブランド魚に対しては一定の価格上乗せを許容。しかし、千葉ブランドについては、「外房イセエビ」や「九十九里地ハマグリ」などを除き、認知が不十分。
  4. 漁港の施設・機能として、漁協側は「漁業見学・体験」、「プレジャーボート係留」に取組む一方、消費者側は「レストラン」、「直売所」、「朝市」などを望み、両者にギャップ。
  • レポートでは以上を踏まえ、千葉県漁業の未来に向けて、①スマート技術導入などによる漁業の収益性向上と労働環境改善による「支える(基盤強化)」取組み、②首都圏に近いという地理的優位性を活かし鮮度と利便性を両立させる商品供給といった「活かす(価値創出)」取組み、③「千葉産ブランド」強化といった高付加価値化、輸出拡大などによる「稼ぐ(収益力向上)」取組み、などが必要と提言。

 ご関心のある方には是非お読みいただきたい。

 

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