Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

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TSUBASAシンクタンク共催セミナー:為末大氏ご登壇

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2025年12月10日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 今週月曜日(12/8日)、ちばぎん総合研究所を含むTSUBASAアライアンスのシンクタンクが共同でセミナーを開催した。

 TSUBASAアライアンスは、千葉銀行を含む経営統合によらない地銀広域連携の枠組み。2015年に発足し、現在は北海道から沖縄県までの10行で構成。今回のセミナーは、発足10年という節目の年に、シンクタンク部門が初めて共催する形で、全国のお客様を対象に会場(千葉銀行本店)・ウェブのハイブリッドで開催したものだ。300名を超える多くの方から申し込みをいただいた。

 セミナーは2部構成で、第1部は「日本経済の構造変化と企業経営」という題で私が経済講演。コロナ後の世界的な構造変化、AI活用の加速、高市政権下での経済政策などについてお話しした。

 第2部は為末大氏による「熟達者の哲学~競争を勝ち抜く差別化の極意~」というテーマでの特別講演。為末氏は400Mハードルの日本記録保持者。01年と05年の世界陸上で銅メダルを獲得。01年世陸における日本記録は未だ破られておらず、短距離陸上界の伝説の選手である。

 同時に「走る哲学者」とも呼ばれる。言語力が高く、アスリート経験をもとに「熟達論」など多くの本も執筆。人の成長にとって重要な考え方を示されており、企業の人材育成にも有益だ。

 今回の講演もご自身の経験に基づいた示唆に富むもので、以下の点が強く印象に残った。

  • 人間の成長はマインドセットで変わる。「限界」に対する思い込みが成長を妨げる。
  • 熟達のプロセスは5段階。「遊」(好奇心)→「型」(基本)→「観」(観察力)→「心」(中心・勘所)→「空」(無心)。
  • 熟達の段階が違えばアドバイスの内容も異なり、正反対になることもある。
  • 熟達のためにはコントロールできるものに集中することが大事。コントロールできないのは他人と過去の自分。
  • 自分にしかできないことが何かを考え、他人と差別化することが大事。
  • 過去はコントロールできないが、過去の体験をどう捉え将来にどう活かすかが重要。
  • これらを通じて「限界を拡げていく」ことが可能となる。

 私の拙い文章では十分に伝わらないだろう。詳しい内容は、当社HP会員専用ページのYou Tubeや当社のマネジメントスクエア(来年3月号掲載予定)をご覧いただきたい。会員専用ページへのアクセス方法が不明の場合には、会員専用フリーダイヤル(0120-351-743)にご連絡いただきたい。

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