Business Letter
「点描」
社長 前田栄治
日本のGDP─10~12月は3期連続のプラス成長
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2025年2月17日号に掲載)
前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]
本日(2/17日)公表された24年10~12月の実質GDPは前期比+0.7%・年率+2.8%と3期連続のプラス成長(表1)。前年比は+1.2%と2期連続のプラス。

物価動向を含む名目GDPは、前期比+1.3%・年率+5.1%、前年比でも+4.1%と、高めの成長が続き(表2)、企業の売上・収益増と整合的な結果。

実質GDPの内訳をみると(前掲表2)、前期比では内需が横這いの一方、外需が高い伸び。ただし、内需の鈍さは7~9月にかけて2期連続で高い伸びとなったことの反動、外需の強さは控除項目である輸入の一時的な減少による面が大きい。前年比では、内需が増加の一方で外需は横這いと、内需主導の成長を示す。
内需の項目を傾向的にみると、住宅は鈍いが、設備投資や政府支出が堅調。個人消費については、昨年春頃まで弱めであったが、その後は実質所得の回復を反映して緩やかに持ち直している。
以上のように今回のGDPは、日本経済が内需中心に緩やかに成長し、価格転嫁も全体として進んでいることを示したもの。
本年のGDPについても、振れを伴いつつも、同様の傾向が続くとみられる。日本経済の実力(潜在成長率)は人口減などから0%台半ばと低いため、実質では均してみて精々1%前後の成長にとどまる。企業としては、商品戦略の工夫により単価を上昇させることなどで、相応の売上・収益増を実現して行きたいところだ。
主な留意点は、内需面では消費回復に水を差しかねない円安進行の可能性、外需面では米トランプ大統領の政策の世界経済への影響。後者に関しては、既に様々な関税を打ち出しており、その帰趨次第では世界貿易にマイナスに影響を及ぼす可能性もある。予断を持たずに注視していく必要がある。
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