Business Letter
「点描」
社長 前田栄治

成田空港「第2の開港」の経済効果

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年2月24日号に掲載)

前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]

 成田空港では、28年度末に向けて滑走路が延伸・新設され、その後もエアポートシティを含む総合的な機能強化が進められる予定だ。

 こうした「第2の開港」プロジェクトは、昨年7月に千葉県全域が国家戦略特区に指定され、県が「アクションプラン」を公表して以降、進捗が本格化している感があり、最近でも以下のような重要な進展があった。

  • 30年代初頭をめどに新設される貨物地区の方向性について議論する「成田空港新貨物地区検討協議会」が、1月に開始。成田国際空港会社と国際航空貨物の取り扱い事業者が参加。
  • 国土交通省が26年度当初予算案に、成田空港に近い鉄道の単線部分の複線化を念頭に置いた新規事業を盛り込んだ。成田と都心の円滑なアクセスにとって障害となっている部分について、国が具体的に関与する姿勢を示したものだ。
  • 千葉県が26年度当初予算案に、空港周辺の産業集積に向けた新規事業を盛り込んだ。航空宇宙産業など6業種を念頭に産業用地の整備などを開始する方針であり、芝山町で15~20万㎡の造成に着手する模様だ。

 成田「第2の開港」の千葉県経済への影響は様々なルートが考えられる。

 まずは、空港インフラや周辺交通インフラなど、ハード面の整備に伴う建設需要などだ。次に、旅客・貨物輸送の拡大に伴う効果だ。空港および周辺での経済活動が増加し、雇用増に伴う消費など2次的な波及効果も生まれる。これらのルートは、円滑に進めることが効果発現にとって重要とは言え、ほぼ確実に現れる効果と言ってよい。

 一方で、不確実性は高いが極めて大事なのは、産業集積や新たなビジネスチャンス。具体的には、以下のようなものが考えられる。

  • まずは、周辺地域での6業種の発展(物流、航空宇宙、精密機器、健康医療、農業、観光)。
  • さらに、国家戦略特区を活かす形で、6業種も含む県全体での産業発展。
  • 国際ハブ空港としてのブランドが確立し、空港の国際競争力が向上することを通じた全域への効果波及。

 成田空港の「第2の開港」が、成田周辺にとどまらず銚子・九十九里・南房総地域を含めた県全体に波及するためには、自治体間や企業間、自治体・企業間の連携も必要となってくる。成田空港から離れた地域であっても自分事として捉え、オール千葉で取組んでいくことが大事だ。

 

●当ウェブサイトに記載されているあらゆる内容の著作権は、株式会社ちばぎん総合研究所及び情報提供者に帰属し、いかなる目的であれ無断での複製、転載、転送、改編、修正、追加など一切の行為を禁じます。