Business Letter
「点描」
社長 前田栄治
高市政権の骨太方針2026(2)─千葉県経済への影響
(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2026年7月30日号に掲載)
前田 栄治[ちばぎん総合研究所取締役社長]
7月23日付の点描では、高市政権の「骨太方針2026」に関し全体像を整理した。今回は、その千葉県経済への影響について主なポイントを示す。
骨太は17分野を中心とした成長戦略から防災や外国人政策まで幅広くカバーしており、殆どが千葉県に関係する。地域の産業発展という点では、骨太と関連する地域未来戦略に基づいた「千葉県地域産業成長プラン」(7月21日付点描を参照)が概ねカバーしている。
その上で私見を申し上げれば、最も重要なのは、「成田空港の機能強化、道路・鉄道アクセス整備、周辺の産業集積、農林水産物輸出拠点化を府省庁横断的に進める」という成田空港第2の開港に関する記述が、政府の骨太に初めて入ったことだ。一昨年夏に岸田総理(当時)が成田空港の機能強化を「国家プロジェクト」と明言してから、関連する計画の策定が加速した感はあるが、今後の推進において、政府の重要な公式文書に採り上げられたことの意味は極めて大きい。これに伴い、戦略17分野の一つである航空機産業の発展も大いに期待される。
それ以外については、いずれの項目も濃淡はあれ多くの都道府県にとって重要と考えられるが、中でも千葉県にとって大事なのは以下の項目と考えられる。
(1)対内投資
骨太は官民投資の促進を掲げるが、その一つの重要な要素を海外からの対内投資と位置づけ、「対日直接投資促進プログラム(2026)」に基づく取組みを強化する方針。千葉県は成田空港という日本一の空の玄関口を構え、その機能強化が予定されているだけに、対内投資促進のビジネスチャンスが広がると考えられる。
(2)地域AX、スタートアップ
骨太では、地域の中堅・中核企業におけるAI導入を進め、地域AX(AIトランスフォーメーション)を推進する方針。また、分野横断別の8つの課題の一つとしてスタートアップの技術力を取り込んだイノベーション力の強化も挙げる。千葉県は大学発のスタートアップも少なくなく、地域AXやイノベーションの進展に繋がるポテンシャルは大きいと考えられる。
(3)人材育成
骨太では人材育成も8つの課題の一つに挙げ、「全世代型リ・スキリング国民運動」を展開するとしている。千葉県では、成田空港の機能強化や国家戦略特区の全県適用もあり、産業構造の大きな進化が期待される。そうした環境変化と人手不足の双方に対応するために、人材育成やWX(ワーク・トランスフォーメーション)が特に大事だと考えられる。
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