わたしの意見-
水野 創

大きな余震!東日本大震災から10年 復興による人口変化は?

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

(「(株)ちばぎん総研BusinessLetter」2021年2月24日号に掲載)

水野 創[ちばぎん総合研究所取締役会長]

 2月13日深夜の最大震度6強の地震では、10年前の東日本大震災の記憶が重なり思わず緊張した。

 10年経過を機に改めて被災地のうち4県(千葉、福島、宮城、岩手)の人口推移を被害の小さかった埼玉県とも比較しながら確認したい。

 ①5年ごとの国勢調査の推移(2020年は未公表のため各県発表の人口)を見ると、東北3県の人口減少傾向、千葉、埼玉県の人口増加傾向と、震災前後で流れに大きな変化はなかった(図表1)。あえて言えば、原発事故の福島県の減少ペースがやや増し、千葉県と埼玉県の差が多少開いた。

 ②5県の県庁所在地の人口を見ても、さいたま、仙台、千葉市の増加傾向、盛岡、福島市の減少傾向に変化はない(図表2)。なお、さいたま市は北陸新幹線・上野東京ラインの延伸・開業等が寄与。

 ③震災直後には、各地で被災地を脱出する動き・それの受け皿となる動きも見られたが、結果的には変化は一時的で5年単位では大きな流れに吸収されている(図表3)。

 厳しい評価だが、東北3県は復興・地方創生の過程で、人口減少に歯止めをかけ、あるいは避難による人口増加の流れを定着させることに成功していない。逆に千葉県は首都圏の一角を占める地の利、オリ・パラ開催決定・交通インフラ整備等時の利を得て、減少を跳ね返した。

 今、コロナ禍で東京都一極集中に変化がみられ、各地でその受け皿を目指した取り組みを競っている。2025年の国勢調査で変化をはっきり確認できるよう、「安心・安全・快適・便利」なまちづくりへの各地のこれまでにない取り組みに期待したい。

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